エッシェンバッハは1969年10月8日、初来日であったと思うが、東京文化会館でモーツァルト(k322、k511、k333)を中心に聴いた。抒情性と硬質の美の絶妙なバランスが魅力だった。本盤の録音時点はちょうどその前後、1964〜73年でありいまや「古い」ものである。一方、それは逆説的に、「若き」エッシェンバッハのメモリアルであり、当時、その風貌から細く華奢な印象ながら、正統的、端整、新進とは思えぬ深いピア二ズムでファンを捉えた。モーツァルト、シューマンなどが得意の演目であり、ポリーニ、アルゲリッチのショパン、プロコフィエフなどと録音でも差別化していた。いま聴いても、その瑞々しい感性には得難い良さを感じる。周到に用意された連弾の息のあいかたも見事である。
練習曲とはいえここまで弾きこなせばすばらしい作品になりますね。さすがプロのピアニスト! 数多くのピアノ入門者達を苦しめるこの曲集ですが、楽譜と耳の両方から練習すればその苦しみも若干和らぐのではないでしょうか。この演奏がすごすぎて逆にやる気がなくす人もいそうですけど。
クラシックのピアノ演奏とは、、、という質問には
この演奏を聞かせるといいんじゃないかな?
私の通っていた高校の校訓が、
「当たり前のことが、当たり前にできる人間になれ」
だったけど、、、まさにここでのエッシェンバッハ
の演奏がいえると思う。
たとえば、グールドや、ハイドシェックなどのように
個性的な演奏なら、聞き手の耳目をひきつける
インパクトは抜群だけど、そういった演奏って
1回聴いたら、もう1回聴きなおす気にならない。
(1回で満腹してしまう。あとあとじっくり聞き返して
味わいたいと思わない。)
でも、こういったごく普通の演奏で聞き手に感動を
あたえるのって、実は至難の業だと思う。
普段は見ることが出来ない、楽団員の裏側の顔をクローズアップした
ドキュメンタリー。とにかく面白いです。
劇中に流れる楽曲も多岐に渡り、効果的に使われています。
月明かりの中、コンマスが「自分はソリストにはなれない」というシーン
には思わず涙してしまいました。
娘の発表会の選曲に迷いに迷っている時にこのCDを聞いてひざを打ったようにパンと決まりました。初心者にもわかりやすいクラシックの王道を行く名曲ばかりなのでBGMとしてもおすすめです。CMのあの曲のタイトルは・・・なんてうんちく話も出来ちゃうお得な1枚です。
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