君と僕のアシアト〜タイムトラベル春日研究所〜 2 (ジャンプコミックスデラックス)
作者さんの画力はデビュー当時から秀逸でしたが、ストーリーもこれほどのものを考えることが出来るとは驚きました。
ストーリの深さと画力が見事に融合していますので、説明セリフがなくても心地よく物語の内容を理解して読み進むことが出来ます。
基本的には1話完結方式なのですが、SF要素も織り込まれているので、複雑な伏線の回収がどのように行われるか今後がたのしみです。
さりげなくパロネタもあり映画通の方はにやりとさせられると思います。
今回は、読みきりや1巻ではクールな傍観者を演じていた所長さんが大活躍してくれます。
表情が良い感じに変化するので、それを見ているだけでも楽しいです。
所長さん暴走の回では、あのメカが過去で大活躍するのですが、この物語に不可欠なあの能力のあるあのメカを、未来から過去に転送(データーのみですが)できるとすれば、なんとなく伏線の内容が推理できるヒントが示されています。
このあたりは唐突ではなく1巻のストーリの中で示されていたのはさすがだと感じました。
表紙買いしたのですが、これほどの良作だとは思いませんでした。
今一番楽しみな作品になりました。
アンチェインブレイズ レクス
イラストと物語のあらすじに魅かれて購入、
40時間ほどでストーリーをクリアしました。
とりあえず残念な点として、豪華イラストレーター、声優陣と謳いながら、
それが作中、全く生かされていなかった点を挙げられるかと思います。
同じ絵の使いまわしばかりで、寧ろキャラデザが勿体ないと思えるほど。声も同様です。
他方ストーリーはあってないよいようなものと、割り切らざるを得ませんでした。
四天王と主人公の放置っぷりは、ストーリー目当てで勝った人を確実に泣かせるのではないかと。
突っ込みどころが多すぎて、破たんもいいところです。
とは言え、40時間超の暇つぶしにはなり、ストーリーの展開を想像する楽しみもあったので、
(このストーリーには過度の期待は禁物なのだと後悔はしましたが)
買って絶対に損する…というわけではないかと思います。
はじまりのはこ (CR COMICS)
コミックスは好きで買っていたけれど、完全オリジナルの作品を読むのは初めてでした。
原作があるものをやっていたので、ストーリーを創るが苦手なのかと思っていましたが、まったく違いました。
今まで短編マンガで、これほどすっきりとまとめてくれた人を、他に知りません。
ストーリーもうまいんじゃん! と思わず、心の中で突っ込んだくらいです。
ぜひ、オリジナル長編ストーリーマンガを描いてほしいと、思いました。
君と僕のアシアト (よしづきくみち短編集) (ジャンプコミックスデラックス)
主に少年少女たちが主人公の短編集です。
思春期ならではのみずみずしい感性が見事に表現されていて、読んでいるととても清新な気持ちになれます。
また、すっきりして透明感のある画風は、よしづきくみちさんの最大の魅力だと思います。まさに可憐な少女を描くために生まれてきたような、天才的画力を持つ作家さんです。
「魔法遣いに大切なこと」シリーズでは、原作の芯のあるストーリー構成にも恵まれて本領を余すところなく発揮し、好評を博しましたが、よしづきさん自身の感性から紡ぎだされるストーリーたちも素晴らしく、何度もうならせられる説得力と発見に満ちています。
これから最も注目したい作家さんの一人です。
魔法遣いに大切なこと 太陽と風の坂道 (3) (カドカワコミックスドラゴンJr)
今回は主人公ナミの心情面に凄い心打たれました。
龍太郎の事を想えば想うほど苦しくて、
諦めたくても好きって気持ちはどんどん膨れ上がる一方で。
友達に引き離されて疎外感を覚えたり、龍太郎と二人乗りで帰る浜浦に嫉妬したり、自分の言い分を聞いてくれない親に悲しんだり・・・。
またナミ以外の登場人物もみんな恋愛や家族との問題で葛藤したりで目が離せません。
恋をすることって、とってもつらいことなのに、どうして人は恋をせずにはいられないんだろう・・・と改めて考えさせられる作品です。