20世紀少年<第2章> 最後の希望 豪華版(生産限定) [DVD]
人物紹介・造形に時間をとられた第1章と比較すると、そのような制約がない分、物語として動きが出てきて楽しめた。走るカンナの姿が本作の躍動感を象徴している。平愛梨は適役で、本作の魅力のかなりの部分を支えている。それと万博。大阪万博のとき小6で3回会場に行った者にはあの頃の記憶が映画の主人公達のように蘇るし、それが21世紀にコピーされれば確かに悪夢だ。その21世紀の万博の違和感は私も共有できた。
ただし、本作も物語が壮大で、登場人物も多く、第1章を見直したり、Wikipediaの力を借りつつ観終えることができた。映画が始まると後は観続けるしかない映画館では細かな所は追えないままだっただろう。そういう意味でDVD向きの作品だ。
原作未読かつ第1章未見の人は物語の大枠・スケールの大きさ・アクションは楽しめても本作のすみずみまでは理解不可能と思う。もっとも、3部作の第2章とはそういうものかもしれないが。
3部作を揃えたセットが発売されたので、これから第1章から買い揃えようという人はそちらもチェックして下さい。
MASTERキートン 6 完全版 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
人間は生まれによって尊いのでも賤しいのでもない
その人の行為によって尊くも賤しくもなる
この言葉で第6巻の全てが表されています
権力・地位に溺れる者 金に溺れる者
その一方で 友情を築き上げ守る者 たった一度の約束を守り抜く者
そして 愛を信じて生きていく者
それら全てが 人であるが故に為せる所業であって
それ故に人が人を裏切ることも 人が人を信じることもできる
人は悪いことをしながら良いことをし 良いことをしながら悪事を働く
動物の中で唯一人間は その時々で尊くもなり賤しくもなるのです
だからこそ人は 常に尊くあろうとしなければならないのです
NAOKI URASAWA PRESENTS Happy! 完全版 [DVD]
きらりんレボが好きな方は、黙って買って見てください。
アニメもゲームも楽しいけれど、歌があってこそのアニメ、ゲーム。
歌がよくなければ、面白さも半減します。
その点、久住小春さんの歌は、このアニメに最高にマッチしており、ゲームでも気分が盛り上がります。
前回のバラライカDVD同様に、久住小春さんのMUSIC CLIPを見て楽しんでカラオケなどで歌われることをお勧めします。
買って損はないと思います。
一押しのお勧め商品です。
MASTERキートン 1 完全版 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
☆考古学者、保険のオプ(調査員)、元SAS(英国特殊空挺部隊)サバイバル教官という3つの顔をもつイギリス国籍の日本人、平賀=キートン・太一は、オックスフォード大学出身のインテリ。胡桃沢大学の講師を務める傍ら、たまに?休講しては、事故や事件の保険金支払いに関する調査員となって世界中を駆け巡る!。どんなピンチに追い込まれても常に冷静沈着に対応し、持ち前の知識と技術、長年の経験から培った天賦の才を武器に闘う勇姿は最高にカッコイイの一言。説得力のある知的刺激たっぷりな奥深いストーリー展開と映画的興奮を掻き立てる綿密なアクション描写やカット割り、丁々発止な台詞回し、周到なサスペンスを交えた臨場感たっぷりなドラマ構成には何度読んでも手に汗握るハラハラドキドキな嬉しい気分が堪能できる。さらには考古学の楽しさも味わえるという、一粒に二度オイシイ贅沢な設定であり、読み始めたら、さぁ大変。そのあまりの面白さに無我夢中になり、やめられなくなってしまう。その求心力は計り知れない。そして、主人公である平賀=キートン・太一の普遍的なプロフェッショナルぶりと、自然や書物、遺跡発掘をこよなく愛するユーモア精神あふれる茶目っ気たっぷりな人間的魅力も素晴らしい。オマケにほがらかな親しみを感じさせる人格者ぶりにも心惹かれる。戦闘スタイルも凝っており、身近にある種類豊富な小道具や日常品を使用しながら、幾度となく危険な難局を乗りきるスリリングな見せ場も痛快無比で、固定観念を覆す、その秀逸かつ上質なアイデアとテクニックには、思わず唸らされる。彼だけではなく、物語を支える個性的な脇役たちも良い味を出しており、複雑な人間関係が絡み合う勧善懲悪な人生劇としても超A級の出来栄え。探偵小説のような謎解き&ミステリー的な要素も満載なので、緊迫感が一瞬足りとも途切れる事がない。原作&脚本を担当したのは、既に故人の勝鹿北星。もう一人は名物漫画編集長として知られる長崎尚志。作画は職人気質の〈天才漫画家〉浦沢直樹。※ちなみに筆者は同じ浦沢直樹作品で、工藤かずや原作によるバイオレンス・アクションの隠れた逸品『パイナップルARMY』を是非ともオススメします!。これは正真正銘の掘り出し物デスよ!。【MARTERキートン】の話に戻りますが、最先端の情報・風俗・芸術性・情勢・推理・冒険・ロマンティック・笑い・エコロジー・感動・ヒューマニズム・家族愛・好奇心・環境保護・心理戦・社会問題など、ありとあらゆる内容に取り組んでいる、その守備範囲の広さには、とにかく圧倒されるが、これだけ立派な名作を作り上げた、スタッフの姿勢に脱帽する。それにしても【MASTERキートン】とは、漫画の領域さえも凌駕した、究極至高の知的なスーパー・エンターテイメント娯楽大傑作、と言っても過言ではないと思う。いやはや、マンガの〈力〉恐るべしである!☆★。
MASTERキートン 3 完全版 (ビッグコミックススペシャル)
浦沢作品は『パイナップル・アーミー』や『マスターキートン』など、読み切りタイプが好きだ。職人的に物語りを進行処理していく腕前にも惚れぼれするし、一話完結の安定感はお腹にもたれず毎日でもたべられる。ところで、こういうジャンルはなんていうんだろうか。冒険活劇? オプが主人公だから、一種の探偵物? むずかしい。
大雑把にいって、ロマンという感じがする。ロマンといって何を意味するかというと、キャラの特徴がつかみやすいという感じだろうか。登場人物が物語りに要請される通りに動く感じだ。そんな物語をロマン的物語といいたい。
『マスターキートン 第三巻』で、たとえば「小さな巨人」。これはキートンという主人公と、ピトックというニセ主人公の話だ。(起)主人公とニセ主人公はローザという女性を巡って競合関係にある。(承)敵対者である「首吊り判事」が紹介される。(転)主人公とニセ主人公が敵対者を相手に共闘するも、女性の救出は主人公の力による。(結)主人公の正体が明らかになり、その主人公性が証明される。
プロップ『昔話の形態学』を持ち出さずとも、明快な物語である。登場人物の特徴は物語の構成要素として、単一的な特徴で捉えることができる。主人公が抱く欲望(女性を救出したい)は明確に描かれ、登場人物の物語的な線は少なく、シンプルだ。
現実に存在する賞金稼ぎという題材、あるいは尾行術や銃やテロ鎮圧法の知識などにより、この作品をリアルだという人がいるかもしれない。だが、まったくリアルでない。この作品にとってその種の知識は物語骨格の肉付け以上のものではない。最終コマで紹介されるの悪魔の詩の作者に賭けられた賞金のエピソードにいたっては、物語内容にまったく関わりがない。同様の点で、島耕作シリーズも美味しんぼも、ギャラリーフェイクもリアルでない(どれも面白い。だから非難してるわけじゃない)。また、ここでありうべき誤解を避けるなら「考古学者で元SASの猛者でオプをやっている心優しい男なんて、現実にいない」という批判は些末であり、ここでのリアル批判と別である。
では、リアルでないということがこの作品の疵になっているだろうか。否。リアルでないということによって、作品はユートピア的になっている。グローバリズムにとってマック・ハンバーガーの世界がある意味でイデオロギー的であると同時にユートピア的ならば、同様にそうなのだ。これは非難ではない。知るべきことはイデオロギーでなく、それなくしては生きられないという構造である。誰も、この外に立つことはできない。イデオロギーはユートピア的であり、それによってみんな生きている。