ピンク・フロイドの精神的リーダーだったロジャーのソロ・コンサートを収めた貴重な作品。収録曲24曲中、18曲がフロイド時代の曲。
彼が脱退した後のピンク・フロイドのライブ・ビデオと比較し、セットは地味(現ピンク・フロイドが豪華絢爛すぎ!)だが、ロジャーの声質は衰えず、サウンドもサポートメンバーがしっかりしていて、とても聞きやすい。
最大の聞き所(見どころ)は、「ドッグ」。いつかはライブ映像を見てみたいと思っていただけに垂涎もの。泣きのギターも、ツインリードでしっかり再現されている。
この勢いで、一夜でいいからロジャーがピンク・フロイドに復帰し、ライブをやって欲しいものだ。
ウォール・コンサート・イン・ベルリン1990 [VHS]
ピンクフロイドの「The Wall」を様々な
アーティストのパフォーマンスで楽しめます。
このコンサート自体はフロイド/ロージャー・フリークからの
評価は低いようですが(オリジナルとライブ版CDが
良すぎるので)大仕掛けのステージが面白いです。
「マザー」が特に気に入ったのですが、最後の「トライアル」
も映画をそのまんま再現した感じで楽しめます。
イン・ザ・フレッシュ?を見た人にもお勧め。
ボブ・ゲルドフではなく、ロジャーの「ピンク」が見られます。
イン・ザ・フレッシュ [DVD]
が、何か吹っ切れない部分がありますね。フロイドの活動を自ら終結させ、それなりにレベルの高いソロアルバムを発表してきたのに、ここでのライブはほとんどフロイドの曲。ギルモア・フロイドの盛り上がりに刺激されたのか、過去の遺産の価値にようやく気がついたのか、そこらの事情はよくわかりませんが、「狂気」からの曲についてはほとんどボーカルとってないですし、そこまでして再現する必要があったんでしょうか。「アニマルズ」以降のアルバムは、ほとんどロジャーがメインの作品なので、それなりに説得力ありますし、「炎」収録の「ようこそマシーンへ」や懐かしの「太陽賛歌」のように、ほぼロジャーによるプロダクションのものについては、文句のつけようがないんですが、(「ようこそマシーンへ」のドラムはちょっと違うかも知れませんが、、)「クレイジー・ダイアモンド」はシド・バレットへのオマージュは感じるものの、ギルモア不在を感じてしまいます。最近出たギルモアのライブのように自分の今やりたいことと、お客さんを楽しませる部分を明確に分けたような内容であれば、それなりに納得感がありますが、あの「ロジャー・ウォーターズ」がそんな安易なことをしていいのかという、なんとも複雑な気持ちにさせられました。このライブDVDは本当に素晴らしい内容ですが、ロジャー本人は、正直どんな風に感じているんでしょうか。ギルモアのライブのレビューにも書きましたが、フロイドというブランドの重さをこちらでも感じました。
ザ・ウォール~ライヴ・イン・ベルリン~ [DVD]
「歴史的ライヴ」と呼ばれるものはいくつもあるが、タイミング・コンセプト・場所の三位一体の様なイヴェントの記録が本作である。以前私は、この作品のライヴCDに付いてネガティヴな批評を書いたことがあるが、今回映像を観、そしてWaters達によって語られる裏事情を知ったことにより、このライヴの意義と価値を完全に改めた。
商品として評価すると、本編は当然だが、「インタビューと30分に及ぶドキュメンタリーの特典映像」が極めて興味深い。「1990年7月ベルリン・ポツダム広場&The Wall」と聞いてその関連性がぴんと来ないのであれば、本編を見る前に特典映像で予習してから観た方が良いかもしれない。こちらの冒頭で簡潔にまとめられているベルリンの壁の歴史は、それだけで教材に成りそうな程の出来栄えである。
さて、私の杞憂は良い形で裏切られ、ロック界の利権屋の駄文を買わされなかったことは一応は評価しよう。Zeppelinなどは、解説が渋谷&大貫だからバカくさくなった。以前から言っているが、利権屋達の読むに耐えない感想文に金を払いたくはないのだ。だがしかし、本作の場合「あまりにもお粗末過ぎやしませんか?」と言いたい。利権屋も困るが、学生の下手なレポートみたいな解説を読まされ、しかも歌詞&翻訳もなければ、ブックレットの翻訳すらなされていない。手抜き以外の何牡?でもないと言わざるを得ない。しかも、これの輸入版は「リージョン1」の様だが、国内版は「リージョン・オール」である。妙に腹が立つ。
輸入版と比べて法外な価格設定をするのであれば、ブックレットの翻訳がないのは欠陥商品と言うべきであろう。商品をきちんとした形にする努力を惜しみ、CDのCCCD化等にばかり精を出している音楽ソフト業界には、毎度のことであるが幻滅を禁じえない。
Amused to Death
1992年、Roger Watersのソロ・3rdです。
ソロ活動開始から8年、PINK FLOYD脱退から6年を経て、
製作されたアルバムで、お得意のコンセプト・アルバムになっています。
細かいコンセプトについては知りませんが、
"What God Wants"では、神の名の下に、戦争が起きたり、人々の生活が苦しめられたりすることを歌い、
"Watching TV"では、フットボールも戦争もTVで見れることを、歌い、
そして、最後の"Amused to Death"では、人類は遊びつくして死滅すると、歌っています。
。。。歌っているというより、(皮肉を通じて)憂いている感じです。
どの曲も、叙情性に富み、美しくも憂いを感じさせる楽曲です。
また、アルバム通して、全くたるまないところは、さすがの構築力だと思います。
このアルバムには、もう1つ、大きな魅力があります。。。Jeff Beckの参加です!
Jeffのギターがもつ、「力強さ」「官能」「リリカル」な面が、見事に、このアルバムに融合しています。
Jeffのセッション活動の中でも、Bestの1つだと思いますし、
Jeff Beck抜きでは、「このアルバムは成り立たないのでは?」とも思います。
「What God Want」のコーラスの裏で、荒ぶるJeffのギターが鳴り響くのを聴くと、
「Jeffのギターは、声無き声で、声以上の声! やっぱり、Jeff Beckは『神』役かな?」なんて思いました。
Roger Watersソロの中でも、最も素晴らしい作品だと思いますし、
PINK FLOYDの作品と比べても、全く遜色が無いと思います。
「The Wall」「Final Cut」の続きと言っていいと思います。
「Roger Watersファン」「PINK FLOYDファン」に、オススメです。
また、「Jeff Beckファン」にも、強くオススメします。
(参考)参加ミュージシャン
Jeff Beck (G), Andy Fairweather Low (G), Tim Pierce (G), Steve Lukather (G), Bruce Gaitsch (G),
Mechael Kamen (Conductor), Don Henley (Vo), Rita Coolidge (Vo), John Patitucci (B), Jeff Porcaro (Dr) etc