シュガー社員が会社を溶かす
1.こうならざるべき、という事例集として、自分を戒めるための一つの指針となってくれた。
2.でも、著者が想定する「若手」、つまりシュガー社員が大量にできあがる世代を十把一絡げに非難されている気がして、気分が悪い。
結論:タイトル通り。☆3かなぁ…読み始めは「若者非難の本をなぜ若者の俺がわざわざ買ってしまったんだろう、本選びをミスった!」とイライラしていたが、読み終えてしばらく経ってから1番のように考えることができたから。
*本論からは外れるけれども、なぜ「ダメ男」のタグ"だけ"がこの商品についているんだ?ダメ女タグもあってしかるべきじゃないか?と思ってみたり。
ブラック企業とシュガー社員
著者第1弾である『シュガー社員が会社を溶かす』では、
一方的に社員が悪いように扱われていて、
書評も賛否両論であった。
しかし、前著を経て3冊目の今回は、
『シュガー社員化させてしまうのには企業側にも問題がある!?』
よって、糖度の薄いシュガー社員は、
『何とか育てよう!?』ということになったようだ。
田北さん、だいぶ方針が固まってきたみたいですね。
実際、会社やマネジメントが圧倒的に悪い場合もあるので、
シュガーと言われている側の社員にも詳細なインタビューが
必要と思われます。
内容的には、
・出だしのシュガー社員糖度チェック
・後半のブラック企業度チェック
は面白かった。
私のかつて在籍していた2〜3の会社が、
実はブラックだったと判明………(笑)
あと途中、気になった記述で、
今の40代〜50代は自己犠牲を強いられた時代で、
若者のことなんぞわからんというようなことが
書かれていたが、今の40代に関してはちょっと違うと思いますよ。
彼らは、新入社員の頃は『新人類』と呼ばれ変わり者扱いされていたし、
3年で会社を辞めてしまう走りの世代です。
今では、新進企業の改革経営者であったり、
ノーネクタイや茶髪も居ますしね(笑)
先入観はいけません。
今回はシュガー社員の問題というより、
企業側への注意喚起、労務対策伝授という内容で、
有意義な読後でした。
但し、『俺リスペクト型+プリズンブレイク型』
の事例は凄まじかったですね…
これには参るかも……
職場のモンスター (マイコミ新書)
この著者は、社員側から見た職場の「いじめ」や「パワハラ」が
専門の著者だとばかり思っていました。しかし、今回の本は今まで
の本のスタンスとはガラリと変わっていたので正直、面食いました。
一通り読んだ感想は、最近流行のシュガー社員をかなり意識して
書いているのではないかということ。
「職場のモンスター」と命名しているが、実はこれは全部シュガー
社員のことを表しています。
労使間の問題は今後も尽きることはないでしょうが、社員を「こう
だからこうだ」「こういうヤツはこういう行動を取る」など一方的に
決め付け、カテゴライズすることは少々乱暴ではないかと思います。
人間の価値観は皆一人ひとり違うのですから。
私は若者が嫌いだ! (ベスト新書)
年を取ると、誰も「最近の若者はけしからん!」と叫びたくなってしまうものらしい。
正直、精神科医に通う人たちだけを見て、これが今の若者の典型!と断言してしまうようなアプローチの仕方が的外れだと思われる。
そういう自覚が少しはあるのか、予防線や逃げ道のような文章を、いちいち挟み込むような姿勢もどうか。
不景気や都市化などにより、昔の共同体にあったような社会性を身に付けている若者も少なくなっていくだろう。
そういった時代の変動の中で、大人は若者に何を伝えるのか。
世話を焼くという意味ではなく、先達として示す。その矜持がこの本からは感じられなかった。
愚痴だけなら誰でも言える。その先を開くのが評論ではないのだろうか。
「シュガー社員」から会社を守れ! (PHPビジネス新書)
前著『シュガー社員が会社を溶かす』においてそうした社員への対策が無いとの指摘を受け書かれた続編。
本書においてはこうした問題社員の具体例が豊富なのはもちろん、
そうした社員への対策、見抜き方が具体的に描かれており、参考になる部分もある。
しかし、やや表面的にすぎる気もする。人間の本性を見抜くテクニックなどそう無いのは分かるが、
本書においての見抜き方は「そりゃ当たり前だろ」とでも感じるものが多かったのだ。
例えば「スーツを着用していない写真」「具体的な質問をすると不快感を示す」「面接中友達言葉になる」etc...。
こんなことは新卒就活生でもやらないようなタブーである。
それを中途でやるような人間なら、シュガー社員であるかどうか以前に、私なら採用しない。取引もしない。
また逆に「一人暮らしで繁華街の近くに住んでいる」というのもあったが、そんなことで人間性まで判断されてはたまらないと思う。
確かに豊富な例は提示されており、中には「なるほど」と思わせる部分は多かった。
中小企業など、良質な人材がなかなか集まらない場合には本書の例を参考にして
「せめてシュガー社員は入社させないようにする」とかは出来るかもしれない。
なお、後半の「シュガー社員に変身させない人材マネジメント」は秀逸であったと評価したい。
全体の評価としては☆三つといったところか。