ブレイン・デッド 死霊の晩餐 [DVD]
名作ホラーとして名高い「ブレインデッド」とはまったく別のB級ホラー。
突然に降ってきた隕石によって釣り人がゾンビ化し、
通りすがりの人たちに襲いかかっていく。
冒頭で複数のグループに次々とカメラが切り替わりながら
少しずつ一ヶ所に集まってくる展開は悪くない。
特撮部分はイマイチなところもあるが、全体的になかなか楽しめるデキで
限られた登場人物と舞台を非常にうまく使って展開していく。
中だるみせず、緊迫感を保って観れるB級ホラー作品。
荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)
2011年6月22日リリース。荒木飛呂彦がこよなく愛すホラー作品を100作リストアップ(正確には『ぼくのエリ 200歳の少女』と『ミッドナイト・ミート・トレイン』の2作が追加されて102作)し、氏独自のカテゴライズによって熱く語られる。巻末にはこれらの作品の詳細な時系列リストも添付されている。
まず『荒木飛呂彦の選ぶホラー映画 Best20』が最初にどーんと表示される。このあたりも荒木飛呂彦らしいなぁ、と思う。全部書くとネタバレになってしまうので書かないが、やっぱりクリエーターらしい視点で選ばれていて、作品の『創り込み』に重きが置かれているのになるほどと感心した。特に共感したのは『ナインスゲート』を第5位に持ってきたところ。200ページあたりには岸辺露伴と『ナインスゲート』の意外な関係についても触れられていて、ジョジョ好きには読み逃しできない内容である。
『創り込み』についてのクリエーターらしい分析は、例えば第7位にあげている『リング』についてもTV版としていて、映画版、TV版、リメイク版各々を詳細に分析していて実に面白い。リメイクについても様々な視点から比較分析しているところも興味深かった。
あとがきに登場する言葉、『芸術作品は『美しさ』や『正しさ』だけを表現するのではなく、人間の『酷さ』だとか『ゲスさ』とか、そういった暗黒面も描き切れていないと、すぐれた作品とは絶対言えません。』という言葉に、荒木飛呂彦氏の作品が重なり、やはりすばらしい作品を生み出す人というのは、たくさんの作品を多面的かつクールに分析し、再構築して自分のものとしているのだなと思った。少なくとも観ていない作品は是非観たい、と思ってしまう映画論である。
ブレインデッド [DVD]
昔、千日前の某エロ映画館で同時上映されていたことを記憶している。そして、当時、俺の友人がやたら一緒に観に行こうと誘っていた事も。
当時は、んなB級スプラッターに金払えるかと、結局誘いにのらず、友人一人で観に行ったのだが、凄かった!これは神業的スプラッターだと盛り上がってる友人を、うげえ・・・という目で見ていたのだが、それから5年後、ふとした事で気になってこの映画を観る事に・・・。
その時の衝撃といったら・・・。ホントに観てて、おいおいどこまでやるの。。ちょっと待ってくれ。。と言いたくなる血みどろぶり。
もう、最後なんて発狂物です。でも、観ていて全然気分が悪くならない。むしろドリフのコントを見ているような清らかな笑いがこみ上げる・・って意味不明ですみません。
中途半端さや下手なインテリジェンス、シリアスさなんて全て抜き。やるときゃ徹底的にやったれと言うのと同時に、ピータージャクソン監督のセンスの片鱗を垣間見れる映像の完成度の高さ。
ニュージーランドが舞台なのも、後に指輪物語で生きてきている気がします。とにかく、これをB級カス映画と観ずに決め付けていた、昔の俺は見る目がありませんでした。反省です。