カリガリ博士 [VHS]
~あらすじ とある精神病院。患者アランが語り出す物語。カーニバルにやって来た、カリガリ博士が眠り男チェーザーレによる興行を行い好評をえるのだが、博士の真の目的とは。。
もともとは数時間在ったものを劇場向けに67分にカットされたものという。完全版は見ていないが、このカットは絶妙ではないかと思う。
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初めてみる人は背景の書割り(背景画)にも注目してもらいたい。表現主義による背景には、水平な直線がなく必ず傾いていたり曲がっていたりする。その視覚効果が幻想的な世界を構築する。カリガリ博士の手袋も印象的だ。~
カリガリ博士 [DVD]
この作品は、白黒無声そんな時代だからこそ生まれた最高傑作だと思います。
初めてこの映画を観た時、「えっ!これがホラー」と思いましたが、
なんのなんの視点を変えて観てみれば、ドイツ表現主義の頂点と言われる
だけありました。
回想シーンからなるこの物語は、コントラストの強い歪んだ書き割りの
セットが、不安定な空間と相反するスピーデーな展開に不思議と調和がとれ、
写楽をも感じさせる表現豊かな俳優の表情は、観る者を恐怖へと誘います。
ストーリーはもちろんのこと、アートに興味のある方にはおすすめの作品
です。温故知新、この作品には素晴らしい発見と感動があると思います。
カリガリ博士【字幕版】(淀川長治 名作映画ベスト&ベスト) [VHS]
ドイツ表現主義の流れにあって、その映画化として成功している。というよりこの作品は舞台装置に表現主義が見られるからすばらしいわけではなく、不思議な不安感がストーリー全体を貫いており、ドキドキはらはらスリル満点の作品であって、昨今のサスペンスなどとは比べものにならない深い世界を含有している。精神病院を舞台に展開するのも興味深い。
カリガリ博士 新訳版 [DVD]
製作されたのは、なんと88年前。ヨーロッパでいえば第一次大戦が終わった年、日本の大正8年(明治が終わって7年目)。それでいて、めくるめく斬新さ。
今日ではよく目にする筋書きですが、二転三転してラスト、これで本当に終わりなのか? と思わせる、その表情がミステリアス。
歪んだ街並みなどのセットは私には童話的に見え、同時代の作家カフカの「変身」なんかの雰囲気を連想しました。
サイレント映画で、英語字幕入り。日本語字幕をON/OFFにすることができます。
古い映画にありがちな、表情や動作が唐突に変化して違和感を与えるところもあります。しかし、この作品がいつでも好きなときに鑑賞できるのはすばらしい。