リスボン物語【ユニバーサル・セレクション1500円キャンペーン/2009年第5弾:初回生産限定】 [DVD]
録音技術者の主人公が、友人の映像作家から、古い撮影スタイルの作品に音楽をつけて欲しいと頼まれて、リスボンに赴くが、なかなか友人と会えない。
けれども、友人が撮影したフィルムを目にすることができた。
そこで彼は、その映像に音をつけるべく、昔ながらの録音スタイルで音をつけたり、みずからヘッドフォンとマイクを持ってリスボンの街を録音して歩きながら、友人を捜すのだが・・・
ヴェンダーズは、単純に好きな映像作家の一人です。
その中でもこの作品は「音」を主題にしている感じがして好きです。
プロであれ、アマであれ、録音に携わる人にとって、
「聴こえる」という当たり前の感覚に対して、
単純に驚きと喜びに、日々接していると思われます。
アインシュタインは、死ぬということを
「モーツワルトやベートベンが聴けなくなること」
と簡潔に語ってます。
映画は前時代への郷愁を誘うものかもしれませんけど、
録音に携わる一人の男の物語、
録音、音の真空パック、の技術者の後ろ姿を描いてくれてるような印象を受けます。
余談ですが、サラ・ムーンという写真家・映像作家が映画黎明期の頃の手法で
ショートフィルムを作っていたりするそうです。
自分はまだ見ていないのですが、是非見てみたいです。
録音、撮影は20世紀の産物で、歴史的には比較的新しい技術、文化と思います。
黎明期の作品には、単純に、音や絵に対する素朴な驚きや喜びが含まれているような感じがします。
目や耳が汚れてきたな、って時にはこれを見てリフレッシュしてます。
リスボン物語 [DVD]
ヴィム・ヴェンダース監督お得意のロード・ムービー。ただしこれまでの「さすらい」や「パリ、テキサス」と違って旅をする風景はあまり出てこない。それよりリスボンの美しい風景が心に残る。ヴェンダース作品久々登場のリュデュガー・フォグラーを始めとしてヴェンダース復活を印象づけた作品。特筆すべきは作品の中に出演し、演奏もしているマドレデウスの音楽。この映画をみたらマドレデウスの音楽を聞きたくなること間違いなしです。
クラシックの殿堂
静かな曲、激しい曲、有名な曲、無名の曲、それぞれが何の脈絡もなく2枚のディスクに盛り込まれています。38曲も入っていれば当然知らない曲が幾つかあるので、添付された曲ごとの簡単な解説本が役に立ちます。
クラシック音楽の「よく聞く部分」だけを楽しみたい人には適していると思います。
目当ての曲を聴くために購入したら、別の曲が気に入る、というオムニバスのいいところを堪能できるはずです。
リスボンへの夜行列車
なぜか気になる本だったので読んでみることにした。
哲学小説という聞きなれない分野、聞いたこともない作家、
アメリカやイギリスというなじみのある国のお話でもない。
でも、なぜかひかれて読み始めた。
グレゴリウスがあるできごとにより今までの生活をすて
自分の街、仕事、住まいを後にする。
そこが強調されて紹介されているが、それは物語の始まりの始まり。
アマデウ・プラドの本に出会い、それは母国語でもないのに苦労して読み進む。
その文章が太字で表示されながら、グレゴリウスとともに読んでいく感じ。
哲学小説といわれるのは、この文章があるからだろうか。
深く理解しようとすると、そこで挫折するのではないかと、適当に
読んでいく。よくわかる文もあり、納得して、うなづきながら読める文もある。
プラドをめぐる人々が興味深い。
それを追いながら、グレゴリウスも変化していくのが
飽きさせない。
ひきつけられるストーリーだ。
読後、何か、課題を終えたような達成感を味わえた。
おもしろかった。
敬遠せずに読み始めたら、夜行列車に身をおくように
導いていってもらえるような気がする。
リスボン物語 (ユニバーサル・セレクション第3弾) 【初回生産限定】 [DVD]
ヴェンダースというと「ベルリン天使の詩」とか「パリ・テキサス」あたりが有名だけど、それよりもっとヴェンダースらしい作品のような気がします。「アメリカの友人」とかが好きな人には向いているかも。もちろんリスボンの町並みもすてきなんだけど、オープニングからまさにロードムービーの雰囲気。マドレデウスの曲もすてきでした。「ことの次第」ほどマニアックではなく、もっとゆったりと楽しめる感じ。わざわざ単発で売られていたのも納得です。ただし、もちろん、スリリングなアクションとか盛り上がりとかはないです。
余談ですが、他の作品同様、なんだかいろいろと細かいところに細工がしてあるのに気がつきます。主人公が音響技師なので自分でマイクを持って歩いていますが、これがなにげない設定なんだけど、よく注意して聞いてみると面白いですヨ。エンドクレジットまで遊び心満点で、またいつものように繰り返し見てしまいました。
ゆっくり楽しんでくださいネ。