戦国武将並びに女性のキリシタン人物の小説は数多く読んだが、これほど当時のキリスト教を背景にした小説は初めてだ。キリシタンになったばっかりに儚くも悲しく人生とは何かを問いかけてくる。歴史小説206作品目の感想。
手が届きそうで届かない、すぐそこにあるメロディー。
人が生き、たった一度愛する誰かに語りたくもあり、
墓場まで持って逝きたくもある、切なげな場面の数々。
本当にこれから先、何度も読み返すであろう名作集である。
【シチリア舞曲】、【秋日和】、【約束の手紙】、【真珠の便り】、
【接吻】、【夏の航跡】、、、、、
そっと心臓に息を吹きかけられるような、
名もない歌を頼りに、僕はあの人に感謝したい。。。。。
そんな作品が、いっぱいです。
音読した(約40分)。抜群に文章がうまい。 現在世界に36点しかないといわれるフェルメールの絵を赤瀬川さんの案内で鑑賞。 赤瀬川さんはフェルメールを「カメラができる前の写真家」と呼び,科学者の目を彼の特徴として指摘する。「目の物理的な効果」「心理的な人間効果」がそこでのキーワードだ。 この画家の絵について多くのことを学んだ。視線のリアリティさとその構図的意味合い,「デルフトの風景」での2人の点景人物が果たす役割,左の窓から入る光線の効果,大胆な粗いタッチの新鮮さ,など。 また,よく描かれたのは若い女性,手紙,地図,カーテンなどであるという。女性の笑顔の絵が多いのもこの時期の絵画としては珍しいとか。「真珠の耳飾の女」は映画化されたが,いい映画だった。
「車掌の本分」を中学のとき、教科書で読んだときは衝撃的でした。
お猿さんの話かっ!というのもありましたが、
人生で初めて「働く」「モチベーション」といったことを
意識した瞬間かもしれません。
なので、仕事でちょっとつまずいたとき、
読み返したいなぁ、と思うことがあったのですが
文庫は絶版のようで入手できず、残念な思いをしていました。
ところが、ある日、あきらめずに検索していたらこの本を発見。
車掌の本分意外にも、いい作品がはいっていておもしろかったです。
それと活字も教科書体でなつかしい雰囲気を
味わうことができました。
思春期の頃,年上の女性に密かに寄せた淡い恋心。亡くして初めて知る父親の一面。片やトレードに出されたベテラン・プロ野球選手,片やリストラ進行中の会社に務める中堅会社員という岐路に立たされた2人の男の心境。輝かしい成績を残しながら家族愛のために突如プロ球界を去った男のその後。 野球をモチーフに,男なら誰でも経験するであろうほろ苦い思い出,挫折,郷愁などをさわやかに描いた短編集(5編のうち野球の描写が全くないものが1編ある)。素朴だが,素直に共感し胸に染みる傑作。 最近,ファンの意向を無視してプロ野球の枠組みを勝手に決めようとする傍若無人なプロ球団経営者がいるが,そんな人にこそ,この作品を読んで欲しいもの。プロ野球選手に憧れ,ただ無心に白球を追いかけた少年時代は誰にだってあったはずだし,そんな純粋な子供の夢はついえても,野球を愛する気持ちは大人になっても忘れない人が世の中にはたくさんいるはず。そうした人々が支えてきたのが今の日本プロ野球だと思うのだが・・・。こんな夢も希望もない殺伐とした世の中だからこそ,かえってまぶしく感じられる作品だ。
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