毎度おなじみ流浪の音楽噺で無人島に持っていく一枚ということでは僕はロバートジョンソンのCDをいつもあげています。 実際1年中出張(赴任ではない)している僕が必ず持って行く一枚である。
時々本当に無人島にて一人で波の音をバックに聴けるのかどうか考えさせられる音楽を選ぶ、物事の意味を勘違いしている人もいるが、この流浪の民バートヤンシュの2枚組アンソロジーも本当の意味で”むーじっく(無人島音楽)”の一枚となりました。
ピーターバラカン氏のラジオ番組で知り購入しましたが、安い、多い、うまいの三拍子でした。 ただし遅い! 一ヵ月待ちました。
しかしながら曲は時代順だし、英語が得意でなくとも解りやすいブックレットアンソロジーも楽しいので満足です。
バラカン氏も練習し、ジミーペイジ氏もパクったろう故バートヤンシュ氏のプレイは多分長い旅の長い友となるだろう。
(夜の)黒い河や黒い山のほとりにて。
ニック・ドレイクはこのアルバムをとても気に入っていたそうですが、収録曲の中から「Strolling Down The Highway」と「Courting Blues」をホーム・レコーディングとして録音していて、ブート『Tanworth In Arden』などで聴くことができます。なんといってもスキルの高さと、すばやいフィンガーピッキングですが、これがデヴュー・アルバムなんだからとにかくすごい。なにげなく淡々と流れるように展開していくトラックのすべてに静かな鋭い迫力があって、ポップではないし、けっして派手じゃないけれど、どこか冬の日差しのように澄んだあきらかさがあると思います。ヘロインで亡くなった友人のことを歌ったという「Needle Of Death」は、繊細で美しいメロディとやさしく揺らぐ歌声とがせつない傑作。
オリジナル・アレンジのトラディショナルから始まるアルバム。とにかく最初の2つのインストゥルメンタル・トラックが死ぬほどかっこいい『Jack Orion』。軽快で鮮やかな音色、森を抜けていく風のような透明感と爽やかさが最高です。とくに2曲めのやさしいメロディでは、朝のイメージが浮かぶような清々しい繊細さの中でも、だからといってけっして脆弱に傾くことのない力強いセンスが光っています。いつもながら輪郭のくっきりとしたソリッドなギターが素晴らしくて、とにかく一点の曇りもない響き。ジャケットも渋くてそこはかとなく冴えた印象で、なんだかちょっと落ちついてコーヒーでも飲もうという気分になります。
彼らのギターのサウンドは私たちの耳には如何にも英国的に響く。それは彼らの音楽が、ブルースやジャズ、クラシック等の流れを汲んで生まれてきたのではなく、英国の風土、文化、歴史に培われて生まれてきたからだ。
彼らのギター・テクニックについてもまた然りで、既製の奏法では括ることのできない、やはり英国的な独創性が見られる。それは英国独自に発達した至芸とも言えるもので、彼らの先達としては、あのデイヴィー・グレアムがいる。ポール・サイモンはそのグレアムの「アンジー」を弾き、英国的独創性をアメリカへ持ち帰った。
このアルバムは、その「ギターの英国的独創性」がデュエットの形で存分に楽しめるものだ。バートもジョンも英国フォーク界が生んだ天才ギタリストで、信じ難いほど技巧的な演奏をする。その二人が、それぞれの独創性を息の合ったプレイで惜しみなく披露している。彼らの気品ある流麗な演奏を篤と聴いてほしい。そしてもしアコースティック・ギターを弾く人であるなら、フィンガー・ピッキング・スタイルでデュエットする醍醐味をこのアルバムで味わってほしい。
これは蛇足になるけれども、このアルバムを聴いてギターをコピーしたいと思う人もいるかもしれないので、その手始めとなるよう少々解説しておくと、1曲目の "East Wind" でのバートのチューニングはDGDGADで、カポは2フレット(カポを2フレットにすると若干高めになるので、曲に合わせて全弦少し下げる)。そして先ずペース音で5弦解放を弾き、続いて高音部の3弦解放+2弦5フレット+1弦解放を弾く。次はベース音が4弦解放、6弦解放と連続する。そしてベース音に高音を加えて6弦3フレット+4弦解放+3弦解放+2弦3フレット。最後に1弦解放、1弦1フレットと弾く。あとはほとんどこのフレーズの繰り返しである。一方、この曲に魅力的な旋律を加えているジョンのギター
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