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ゴーストライターを使わず、自分で書いた文章。
 という感じがする。
 
 グッと落ち着いて、あらためて日本を批判したかんじ。
 
 論旨はやや乱れるが、相変わらずまっとうなことを言っている。
 
 「自由と平等が両立することはありえない」
 
 など、文明のウソ800をズバズバぶったぎってゆく手腕は今もみごとである。
 
 「お笑いが本来の機能や意味を失っている」
 
 という、かつての笑いトップランナーならではの発言もある。
 
 結論。
 
 論理の切れ味は今も日本一。ただし、状況は彼の思考で捕縛されないくらい動いている。
 
 
   
テレビでこの本が紹介されているのをきっかけに興味を持ちました。
パリのカルティエ現代美術財団での展覧会2010年3月11日〜9月12日に行けないのが残念です。
 
 待ちに待った本が家に届きすぐに開けると、あっという間に独特の世界観に引き込まれつつ親しみを覚え、俄然パリまで実物を観に行きたくなりました。
 結構見ごたえがありますので、少々高めかと思いましたが納得です。
 
 
 
 
 
 
   
短い文の中に 気持ちがいっぱい詰まっていて 何度も読み返しました。
 
 
   
劇場ロードショーで見た時は、
『ソナチネ』『キッズリターン』レベルを期待してしまったので、
 かなりがっくりきました。
 これでもう終わりだ、くらいに思いました。
 
 でも2010年にテレビの深夜放送で見た時は、
 切腹・指つめなどの残酷シーンはすべて省略され、
 そのカットが案外うまくいっていて、
 北野作品ならではのリズム感や、トーン、
 なんともいえない画面の気配が色濃く漂いだし、
 これもすごい映画だと思いました。
 
 最初見た時は、刺激的なシーンばかりが印象に残りましたが、
 2回目見ると、ビルの屋上から紙飛行機を飛ばして
 それが落下していく様を1カットで撮っていたり、
 撃った弾丸の薬莢が床に落ちる音までも響く様など
 北野美学が生きていることを実感。
 
 彼らがアジトにする壊れかけた倉庫のような建物、
 砂浜でのふざけ、「腹が痛くてタバコが吸えない」などは
 ストレートに『ソナチネ』そのままですし。
 
 屋上の柵に持たれた主人公を後ろから撮ったショットは、
 眼下の町がまるでヨーロッパみたいに見えた。
 いつかヨーロッパ(パリとか)を舞台に、映画を撮ってほしい。
 たぶんぴったり合うと思う。
 
 
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