こういった本が出てくるのを長年待ち続けていた。
そして、ようやく出会えた。
飛行機に乗って拠点から拠点を渡り歩く海外旅行とは違って、7年半という超膨大な時間を費やして自転車に乗って世界一周という線を結びつける旅には恐れ入ったものだ。
1作目「行かずに死ねるか!」、2作目「いちばん危険なトイレといちばんの星空」と著者の本に出会って、いずれもすごく感動したものだが、3作目である本書は、その内容が一層充実していることはもちろんのこと、文章表現に磨きがかかっており味わい深いものとなっている。
食べたことを介してこういうことがあったというワンシーンを描写して文章が始まっているのは、旅の記憶を辿っているようでおもしろい。
旅をしていて、景色や異国の情緒に触れ合うものであるが、なんといっても食べることはかかせず、現地の人たちと同じものを同じようにして食べることで、共有し共感し、はじめて熱く肌で感じるものがあるというものだ。
このことは現地の人のこころを垣間見ることができ、食べたものの印象深さから、その時の情景をこころに刻み付けている。
どんな食べ物であろうとも現地と一体となり同化することから始まるのだ。
それがまさしく旅の原点であろう。
「やかんの本 THE BOOK OF KETTLE」。
この表題を見た誰もが、岡倉天心の「THE BOOK OF TEA」との通奏低音を聴いて取るであろう。
『茶の思想は単に普通の意味での美の追求ではありません。(中略) 別な言い方をすれば、厳しく清潔を求めますから衛生学、いろいろお金をかけないで簡素に楽しもうという点では経済学、また宇宙の中でのものの大きさがはっきり判るという点では心の幾何学です。そして、信じる人全てを趣味上の貴族にするということで、東洋的民主主義の真髄といえます。』(岡倉天心「茶の本」)
やかん美の追求も上に似たり。趣味上の貴族である。
「「いき」の構造」の九鬼周造は、彼を妊娠中の母が、実父たる文部官僚の九鬼男爵がパトロンとして支援していたところの岡倉天心に心うつりし出奔した逸話で知られるが、それだけに、天心‐九鬼間には精神的な父子関係があったといわれる。本著の渡邊×設楽対談にも、その種の共犯的好事家としての擬似父子関係が覗かれ、スリリングである。
いや、もっとユルいけど。
孫が喜んでお風呂に入っております。
楽しく遊んでいる為時間も忘れています。
今回は有難うございました。
中国へは貧乏旅行ですが、通算して半年ぐらい旅行しました。 日本人と中国人は同じようなところがあるんだけど、なんか違和感がある。それはなんだろうと思っていました。確かに顔立ちが似ているところもあるし、箸を使って食事する、そして漢字を共有していて、意味の似ている漢字が多い。でも文化が違うし、どうしても納得できないところがある、それはなんだろうか。 旅行記や雑誌などでも全然教えてくれないことを、この本は教えてくれます。今まで疑問に思っていたいくつかのことが解消されました。 ところで、題名の洗面器ご飯というのは私も食べたことはあります。庶民が食事するときには、巨大なホーローのマグカップに、ご飯とおかずを入れて食べる方法です。それをスプーンで口にかきこみます。なかなか味はよいのですが、初めてそれを見ると日本人は引いてしまうでしょうね。
使いやすいです。大きさもちょうどよかった。 うちのお風呂の浴槽の色とピッタリでした。 穴がついているのでS字フックでぶら下げてます。
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