ア・スケアシティ・オブ・ミラクルズ
「ヴルーム」「スラック」以降の攻撃的なサウンドを好む方には肩透かしを食らう内容となっている。
しかし、ブリュー時代のリリカルな曲はドライな印象の曲が多かったのも事実。そういった不満を持っていた
方々には今回の新譜は歓迎できる内容になっているのでは、と思う。本作品は確かに地味だが、楽曲は良質なものが多い。
クリムゾンの抒情性をモダンに表現した良作。
エクスポージャー(完全版)(紙ジャケット仕様)
エクスポージャーの「ファーストエディション」と「サードエディション+オマケ数曲」、それぞれ別々の紙ジャケ入りという変則2枚組み。「ファースト」はニューウェーブを意識したようなミックス、「サード」は現代風リミックス版、といった感じでしょうか。いずれにしろ「違いが良くわからないなー」というようなことはなく、両者のミックスがかなり違うのは間違いありません。また、「サード+オマケ」のほうでは、「NY3」「マリー」「エクスポージャー」などのダリルホールボーカルバージョンが聴けますが、個人的にはピーターハミル、テリーローチェのボーカルのほうが気に入っているので、あえて2枚組みにしてこの値段はちょっと・・・。作品自体の評価は★5つですが、すでに持っている人があえて購入したほうがいいかというと★3つぐらいではないかと思います。
Scary Monsters
1980年に国内盤が発売された当時のライナーノーツはムーンライダースの鈴木慶一氏が担当していたが、「演歌的ねちっこさに満ちている」というコメントが大変印象的であった。「クリスタル・ジャパン」、日本の酒造メーカーのCM出演などもあり、この作品のレコーディング前後にボウイーはプライベートも兼ねて何度か訪日している。おそらくその時に耳にした日本の演歌歌手の歌唱を、この作品の特にB面に取り入れていると言っていい。それが奏功した顕著な例がD6の「ティーンエイジ・ワイルドライフ」である。
ボウイーファンの間では名曲「ヒーローズ」と並び称される傑作であるが、世間的には過小評価されているきらいがある。それはこのアルバムのA面があまりにも素晴らしく充実しており、B面が過小評価されていた(LP時代は特に)ことが理由のひとつとして挙げられる。有名なボウイー・フォロワーの一人である元スウェードのブレッド・アンダーソンなどは、実際にこのアルバムのA面までがボウイーの傑作群であり、B面以降は駄作(『レッツ・ダンス』等も含んで)であると以前インタビューでコメントしていた。
しかし、このような理由がありながらも、この曲はベスト盤には取り上げられないベスト・トラックとして、必聴の価値がある。このアルバムからシングルカットされたA面の名曲群はベスト盤に収録される機会が多いが、この1曲のためだけにでもこのアルバムを手にする価値があると断言できる。
ロバート・フィリップのギターパートは「ヒーローズ」以上に素晴らしく魅力的で、坦々とした曲調から段々ドラマティックな展開をしていき、ボウイーのボーカルも曲の展開に合わせて断末魔の如くテンションが上がっていく。ボウイーの全曲中で、この曲のギターソロが最も効果的に発揮されていると言ってよく、ボウイーのボーカルはベストのひとつである。
また、ギターシンセを何重にもオーバーダビングして摩訶不思議な音を出してるD4、ボウイーの声がエフェクター処理された疾走感溢れるD3、度肝を抜かされるD1など、聴き応えのある曲が目白押しである。
I LOVE hide -Complete Audio Collection-(USBメモリー)
USBに入ってるならあまり場所も取らなくていい!と思いましたが中のデータは抜き取りできる訳ではないので結局CDはいりますね。
ハートの部分がUSBのふたにあたります。USBは安全ピンの部分ですね。コレクションとしての価値はあると思いますががっかり感はちょっぴりあります…
The Equatorial Stars
キング・クリムゾンのリーダーであり
ギタリストのロバート・フリップと
元ロキシー・ミュージック、
アンビエントの始祖、
ノー・ニューヨークの仕掛け人
ブライアン・イーノとのコラボ・ユニット。
1975年のEvening Star以来
30年ぶりとなる二人の共演である。
「赤道の星」と名付けられた本作。
驚くほど肩の力の入っていない
それでいて素晴らしく美しい作品だ。
実験的な試みを繰り返してきた二人が
そのプレイの質で描き出す
壮大なサウンド・スケープ。
ナイーブかつクリア、
伸びやかななトーンをつま弾く
フリップのギター。
静寂からやってくる
イーノが操るアンビエントなエレメンツ。
それらが高次元で出偶い
壮大な天球に光を放つ。
その光は1等星や2等星だけではなく
3等星から5等星まであり
ほのかに光りつつ揺らぎ
天空のハーモニーを奏でる。
まるで闇の中で
天球の中間に位置し
その光の一つひとつを愛でるかのようだ。
そのスピリチュアルなアプローチは
天を抜け、
神話の世界に
繋がっているような想いがする。