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マイ・バック・ページ [DVD]
50代以上は大丈夫でしょうが、内容は万人向きではありません。この時代の出来事や新左翼運動などに特段興味がない、主演二人の共演だけを楽しみにくるような若い人達が気楽に楽しめる映画では全くありません。現代の若者たちにどのくらい理解できるのか?
ただ、今の時代でも、自分の理想の職場に就いている人は希有でしょうし、青臭い理想に燃えて、現実を知らないまま先輩の声を受け入れることもせず猪突猛進してしまう人だっているはず。人は皆、失敗を繰り返し成長します。間違いも起こします。自信過剰になったり名声を欲しがったり。それは今も昔も変わらない事。そんな人間象を描いた本作は、ある意味、若者にこそ観てもらいたいです。
冒頭から、ピンキーとキラーズの「恋の季節」が流れ、一気にあの頃にタイムスリップした気分になりました。平山三紀の「真夏の出来事」も使われます。主人公沢田がオールナイト上映で観るのが、川島雄三の「須崎パラダイス、赤信号」、音声だけでスクリーンは映りませんが「不良番長シリーズ」だったりします。また、仲良くなったアイドルと観るのがジャック・ニコルソン主演の「ファイブ・イージーピーセス」だったり、ダスティンホフマンとジョン・ボイト主演の「真夜中のカウボーイ」が、本作のキーワードともなっています。美術も、新聞社の事務所の様子とか、当時の雰囲気が良く出ていたと思います。
2時間21分という決して短くない作品で、展開もハラハラドキドキという訳ではないのに上映時間中ずっと惹きこまれてしまいました。
全共闘運動に乗り遅れた2人。それぞれ、「ジャーナリスト」と「新左翼運動家」と立場が異なりながらも、奇妙な友情(?)というかシンパシーを感じる。このふたりの奇妙な交流。それがこの物語のすべてといってもいい。「どこがどう」って話ではない、不思議な感覚がありました。それはこの時代の強い力なのかなとも思います。
本作は、社会派映画であり、青春映画でもありますが、原作者川本三郎が云うように主人公が挫折する『敗北』の映画です。たまにはこういう映画もいいです。
山本浩司、山本剛史、山内圭哉、長塚圭史、あがた森魚など登場シーンは少ないけれど、印象的な役者が大勢登場していたのもツボでした。また、新聞社の社会部部長を演じる三浦友和が、「新聞はそんなに偉いのか」と食って掛かる沢田に対して「そうだよ、偉いんだよ!!」と凄むシーンは、本作のハイライトの一つ。このやりとりで、観客は主人公と革命家の政治ごっこの稚拙さ、その暴走度合いをいやおうなく自覚させられる。ここ数年来、一皮も二皮も剥けた演技を魅せる三浦友和の役者としての貫禄さえ感じました。
綱渡りのような青春時代に終止符を打ったのが「なんで俺あいつのこと信じちゃったのかなあ。」と言う沢田の言葉...。ラストの長回しシーンが、この映画のすべてでしたね。
エンドロールで、原作のタイトルの元となったボブ・ディランの「マイ・バック・ページ」のカヴァーを真心ブラザースと奥田民夫が歌っています。歌詞の内容と映画がぴったりなので歌詞を記しておきます。
白か黒しか この世にはないと思っていたよ
自尊心のため 無駄な議論を繰り返してきたよ
英雄気取りで多数派の弱さを肯定もしてきたし
僕を素晴しいと言ってくれた男達も次の獲物に飛びついた
あの頃の僕より今の方がずっと若いさ
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妻夫木聡が悪人だったあの2ヶ月 [DVD]
私は 悪人の映画を見てからコレを見ました。
役者妻夫木くんはすごいなぁ・・と感じましたね。
最初は 180度違うタイプにを演じることで話題がありましたが 彼の苦悩はそれどころじゃなかったようです。
それと同時に監督も祐一がつかみきれなかったと言っていたので 監督もすごいなぁ・・・と思いました。
映画は深津さんがフューチャーされていますが妻夫木くんもいいです。
映画を見てからだと どんな場所でどんな気持ちで撮影されていたのがよくわかります。
私はどちらかというとあまりナビゲート的なものは購入しないのですが コレは即買いました。
それほど映画に魅力があったからでしょうね。
実は シナリオも買いましたよ。。。
自分が住んでいた場所で撮影があったのでここ 写っている・・とか知ってる・・というのも楽しめましたね。。。
私は購入して よかったと思いました。。
失敗ではなかったです。。
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オレンジデイズ オリジナル・サウンドトラック
ストリングスをふんだんに散りばめた曲から、エレキギターをメインにした活動的な曲など、
作曲者・佐藤直紀さんの多彩な楽曲がドラマのシーンとうまく溶け込んでいて、ドラマでは
一部しか聞けない曲の全容やテレビから聞き取れない音なども楽しめます。
ただドラマサントラアルバムとしては綺麗にまとめすぎてしまった感もあり、収録し切れて
いない曲もだいぶあるようで、短い曲(ドラマのタイトルオープニング曲やピアノのみで構成された
曲のいくつか)などは収録を見送られたりと、サントラでは無く「佐藤直紀作品集 in オレンジデイズ」
という印象が強いと感じました。使用している曲すべてを収録するのは難しい
でしょうけど、もう少し多くの曲を入れて欲しかったです。この点がものすごく悔やまれました。
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Slow Dance Original Sound Track
まさに「頑張りすぎずスローで行こう」なノリのサントラです。
夏の午後にフラペチーノ片手に・・・そんな、カフェで流れていても
いいような曲も多く、ずっとグルグル聴き続けています。
「ロンバケ」や「ラブレボ」など、過去の作品を彷彿とさせる感じも
私は抵抗なく受け入れられました。
ドラマのサントラとして、だけでなくドライブや読書や
ホームパーティのお供にいい感じです。