天保異聞 妖奇士 オリジナル・サウンドトラック
OP、EDがTVバージョンのみというのは寂しい感じですが、あやかしファンなら買いですね。個人的には、2曲目と20曲目がいい感じでかなと。でも打ち切りは頂けません!
TVアニメ「天保異聞妖奇士」公式コンプリートガイド蛮社改所入
各話解説・スタッフインタビュー・キャスト座談会と標準的な構成なのですが、どれも読み応えあり。読後にDVDを見直すと、新たな発見が増えそうです。全話にメインスタッフのコメンタリが付いているのも嬉しく、長いキャスト座談会からは、半年の間、どの役者さんも渾身の力で「彼ら」の人生を生きてくださったのだなあという実感がひしひしと。
残り2クール分の映像化は難しそうな雲行きですが...シナリオ草稿だけでも、あるのなら世に出していただけると有難いですね。時代考証の先生が「新選組!」と同じ方だったのが、私的にツボでした(どちらも毎週毎週、楽しみに見てたのに気付かなかった)。
天保異聞 妖奇士 五〈完全生産限定版〉 [DVD]
あくまで個人的な意見ですがこの巻に収録されている説二十『不忍池子守唄』は妖奇士の中で一番の話だと思っています
母親とのやり取りはただ単純に『良い』です
理屈は要りません
これと説十九『三人往壓』の為だけに買っても惜しく無いと思います
あ、もちろん説十七や十八も面白いですよ
辛い現実から逃げたいが為の違う生活への憧れ、そしてそこにある別の現実についてストレートに描かれてたと思います
妖夷のデザインも印象的
アビの活躍もあります
多少テンポ悪く感じるかもしれませんが他の要素でカバー出来るレベルに思えます
天保異聞妖奇士 1 (ヤングガンガンコミックス)
アニメ版とはまたちょっと違った作品展開になっていて、面白く読ませてもらった。最初の「山神」では、アニメでは曖昧な描写になっていた場面(央太と父親の関わりなど)がかなり露骨に描かれているので、読む人によってはショッキングかも…しかし、話自体はこのコミック独自に上手くまとめられている。ガンガンを読んでないからわからないけれども、ここから先は本当にコミック独自の話になるのだろうか?それはそれで良いと思う。「人魚」編の終わり方は続きが気になって仕方がない。
アニメとはまた一味違った内容なので、アニメ版を既に見ていた人も新たに楽しめるのではないだろうか。全体として、絵柄も時代劇的な内容によく合っていると思った。日本の怪談物が好きな人は一読してみる価値あり。
一つ注文があるとすれば、アクションシーンがちょっとわかりづらいかな。今後作者の筆が慣れてくれることに期待。それと余談だが、この本での元閥はアニメ以上に凄い美人。台詞を注意深く読めば本当の性別がわかる…かも?
天保異聞 妖奇士 一 (完全限定生産) [DVD]
このアニメに「時代劇的」な世界観を想定していた人は、あまりにかけ離れた時代描写に「これ何?」と感じたはずです。
でも、超能力の存在や、妖怪の見た目の印象以上に、この作品は「リアルな江戸」なのです。
「エタ」「ヒニン」は誰でも知っているでしょう。
でも、それとは別の差別、階級が存在し、詳細に語ることすら否定された「江戸時代タブー」というものは、あまり詳しくないはずです。
なぜならそれは、現代に至るまで残った日本の差別の全てといってもいい「穢れ信仰」の根源だったからです。
「穢れ」の反対は、つまるところ「清浄なる」天皇であり、
彼ら、幕府に見捨てられた民は、将軍ではなく、天皇を奉じていくことになります。
ゆえに語ることが出来なかったのです。
そういった存在が「山の民」「浮民」等です(正しくは「流民」ですが。流民は差別語なので使用されず、浮民とされたのでしょう。主人公が「浮民というものがいた、…ということにしておく」と読者目線で語りかけるのは、おそらく作者からの皮肉でしょう。)
また、肉食禁忌、異装禁忌なども「穢れ思想」です。
鎖国状況下でも暗黙に了解されてきた洋学(蘭学)が、末期に急激な浸透と弾圧が起きたのもこの時代です。
知られているようで知られていない実態を見事に物語の上に載せています。
以上のことは、かつての「将軍様史観」的な時代劇とは、まったく違う「江戸時代」ですよね。
だからこそ、それは、すごいことなのです。
會川昇は、ネオランガのころから、ずっと「カミ」を主体とした民俗学アニメを書きたがっているようでした。
これは、彼の代表作となると思います。