コンピュータと認知を理解する―人工知能の限界と新しい設計理念
この本の初版が出た頃(1990年前後)は、人工知能批判の問題作としてかなり騒がれた。しかし、私にとっては、情報システム開発のための新しいパラダイムを示すバイブルであり、今でも座右の書となっている。
本書は、オートポイエーシスという生物的システム論を初めて情報処理の世界に適用した。そして、これをベースとして、環境の変化に対応して構造を変化させる”柔軟なシステム”の必要性を説いている。本書を参考文献としている学術書も数多い(西垣通、野中郁次郎など)。