Zombie
これはIRA(アイルランド共和国軍)に関する曲です。
小さいときに与えられるものは、遊び道具でも本でもなく銃なんです。
戦うことしか知らない子供たちのことを想像しながら聴くと切なく、無益な戦いの悲惨さを感じられることと思います。英語がわからなくても感じ取ることができるのではないでしょうか?
世界中(特に欧米)の方々にはよく知られている曲です。ぜひ日本の方にも知っていただきたい一曲です。
武器なき祈り―フェラ・クティ、アフロ・ビートという名の闘い
面白かった ! 最初から最後まで一気に読み通して、呆然となった。こんなこと、つまり彼の一生を描く、をやってしまった日本の人がいたんだ、とも思った。フェラ・クティという特殊でしかも才能あふれる人物の生い立ちから、そのバックグラウンドまで、ナイジェリアを知る人でなければ書けない内容。場所、文化的背景、宗教的背景、彼の人となり、すべてが豊富にあふれるほど描きこまれている。必読の一冊。別のレビューで文章がどうとか書いている人もあったが、たぶん、本を読んだ経験のない人でしょう。あまりのばかばかしさに笑ってしまいました。NY公演の日本での放送でもこの著者がコメントを寄せていたが、内容が深く、興味深かった。この著者でなければ語れない内容。一読すればその魅力はすぐにわかるはず。
MUSIC MAGAZINE増刊 クロス・レヴュー 1981-1989
1981年に始まったミュージックマガジンのクロスレビューのうち、中村とうよう氏が執筆していた1989年までのものを一冊にまとめた書籍です。
リアルタイムに接していた世代には当時を思い出しながら読むと楽しめます。
「後追い世代」には何年何月に誰が何を発売したか、という予備知識が無いとつらいかも。
ポリスのシンクロニシティの評価はどうだったんだろう、マイケルジャクソンのスリラーは?という読み方には対応していないのが残念。
巻末にミュージシャン別のリストがあれば良かったのになということで★一つマイナス。
ザ・ベスト・オブ・フェラ・クティ<デラックス・サウンド+ヴィジョン> [DVD]
私は彼の音楽はほとんど聴いていなかったので、今回これをお試しとして購入した。CDの選曲は彼の息子であり自身ミュージシャンであるフェミ・クティが行っているようだし、いわゆる「代表曲」が多いようだからいいのだが、英文ライナー(これはこれで悪くはないが)の和訳しかついていず、日本独自の、各曲の出典や彼のバイオグラフィー等について触れた解説がないのは残念。DVDに日本語字幕がないのも、彼のようなミュージシャンの魅力を伝えるためには不十分といわざるを得ない。字幕がなければ、彼のそれなりのファンがDVD目当てにこれを買う、ということもないだろうし。つまり、商品としては中途半端との印象を持ってしまう。これを聴いていいなと思っても、オリジナル・アルバムの日本盤は数年前の再発が店頭から姿を消して以降、手に入りにくくなっているし(それとも、これの売れ行きによって再発を考えてくれているのだろうか)...。もう少し頑張ってほしかった。もっとも、これらのことは、ここに収められた彼の音楽や生きざまの圧倒的パワーとは全く関係のないことではありますが。
Open & Close / Afrodisiac
フェラ・クティの音楽は、日本をはじめ外国ではクラブ・ミュージックとしての側面が強い。それはアフリカ土着のビートにアメリカ黒人音楽の影響を反映させたダンサブルなアレンジがそうさせているのだろうが、実は歌詞は政治的なものが多く、生涯で12回逮捕されています(全て証拠不十分で釈放されているのだが)。
そんな反骨のミュージシャンにして27人もの嫁を持った(ナイジェリアは一夫多妻制)パワフルなミュージシャン、全盛期の作品から溢れるエネルギーには本当に圧倒されてしまいます。
クラブ・サイドからすれば『SHAKARA』『EXPENSIVE SHIT』『ZOMBIE』といった作品が著名だと思いますが、この1972年の作品も実に素晴らしい1枚です。新しいダンスの定義を表顕したタイトル曲『OPEN & CLOSE』はとりわけグルーヴの隙間を埋めるように構築されていくアレンジは圧巻の一言!
余談だが、映画『扉をたたく人』で主人公がシリア系男性からジャンベの叩き方を教わるのだが、『このアルバムは聴かなきゃダメだ』とこのCDをプレゼントされるシーンがあり、「わかってるなあ」と個人的に嬉しかったです。