悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
「ニセ科学の仮説は、どんな実験をしても決して反証できないように仕立てられている。つまり、原理的にさえ反証できないのだ。ニセ科学をやっている連中はなかなか用心深いので、懐疑的に調べようとしても妨害されてしまう。そして、ニセ科学の出した仮説を科学者が支持しなかったりすると、なんとかごまかす策謀がひねりだされるのだ」。
有名な科学者カール・セーガンが生前最後に残した、ニセ科学に真正面から向かい合った名著。特に、科学と疑似科学の違いを説明している最初の章は、とても説得力がある。また、結果として、科学とはなにかということを明快に説明することにも成功している。しかし、本書の魅力はそれだけではない。
この本を読む人は、人間はどんなに聡明であろうと簡単に思い込みや誤りの罠にはまってしまいがちな存在であることに気づくだろう。とても善良な人間が、カルトにはまったり、宇宙人にさらわれて身体検査をされたと証言を始めることがあることも不思議なことではないことをも示している。その上で、科学の本当の尊さは、ひとつひとつの知識だけでなく「批判的な科学の方法論」であることの意味を知ることになる。
ただ、これは科学を扱う本の宿命なので仕方ないことなのだが、本書の原著は少し前にかかれたものなので、近年の発見や研究成果が反映されていない。例えば、火星に水があることは確実とされている上に、かつては大量に水が存在していて、それでなければ火星の地形の一部は説明がつかないことも定説になりつつある。また、太陽系外に地球型惑星を含む惑星が次々に発見されている。そのようなことを知っている21世紀の人間からすると、多少物足りなさを感じるところはある。
With Ribbon
【良い点】
・攻略対象によって”はるか”の性格が変わるのは非常によかった
・”はるか”が自分の娘のように思えてくる
・ストーリー、演出、ギャグすべて非常に高い水準を最後まで維持している
・全体的な満足度が高い。ファンディスク希望
【悪い点】
・タイムリープ、不確定性原理については突っ込みどころ満載だが気にしたら負け。素直に楽しむが吉
・先生と委員長、無理は承知でお母さんも攻略できればなおよかった
・華澄さんのHシーンが他キャラと比べて少ないのが残念