盲導犬クイールの一生
2年ほど前、NHKで同名のテレビドラマがあった。犬の里親、盲導犬の訓練士、視覚障害者のそれぞれの想いと犬との絆に素直に感動したのを覚えているが、本書はその原作である。
半分が写真、半分が文という体裁で、物語というより、クイールの思い出のアルバム、といった印象である。文章が少ない分、ストーリーそのものに感情移入していくのはやや辛いが、それを秋元氏の深みのあるモノクロ写真が補って余りある。最後のページに、クイールの仔犬の頃のあどけない写真を配したのは、演出としては少々あざといと思いながらも、きっちり泣かされた。
ともあれ、なかなかいい本である。
盲導犬クイールの一生 DVD-BOX
NHK月曜ドラマシリーズで全回見ました。犬嫌いのパートナーとの出会いから、お互いになくてはならぬ存在に変わっていくまで、回を重ねるごとに見逃せないものになってきます。第1話・いわゆる導入部での、子犬のクイールを子どもが連れ去って隠すシーンで預り主や親たちの対応が甘すぎるのではとの印象を受けましたが、話が進むにつれ盲導犬の置かれている厳しい現実も浮き彫りにしており、訴えるものがあるドラマだと感じました。6話と最終話は涙する人が多いのではないでしょうか。実話であるということからもこれは保存版として最適です。
盲導犬クイールの一生 (文春文庫PLUS)
10年前に子供向けの写真集を見て、ずっと心に残っていました。
いま、ペットブームで大変な人気ですが、その一方で障害者のパートーナーとして一生を送る盲導犬を紹介したこの本は、どのページもクイールの優しい時として真剣な眼差しが生き生きと映し出されて、とても感動しました。