オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス (電撃文庫)
作家さんというもの当然ながらその小説に登場する人物に自分のメッセージやイメージのようなモノを投影するものですが、最近の上遠野先生の作品にはこの傾向がより強くなっているといいますか(まぁ、元々強かったですが^^;)今回も上遠野節全開ってカンジです。
いつもの「魔女」さんは「名前」しか登場せず、過去チョイ役で出た?キャラクター、役柄がまだハッキリされてない新キャラが多く登場し、また好き勝ってやってくれてますw。
ストーリー的な佳境や新展開を望んでた方には期待ハズレな感は否めませんが、後書を読んでしまうと「またヤラレちゃったな^^;」で満腹になってしまいました。
しかし原点回帰といいますか、「世界の敵」に関しては「笑わない」に登場した早乙女&マンティコアのリニューアル版ともとれる印象で、この二人のまた違った角度からのアプローチが感じられて思わずニヤリw。
久々に全くもって容赦のないブギーにも◎
カオス(+2)
リマスター盤発売される甲斐よしひろのセカンドソロアルバム。
甲斐さんが大好きなラグビーへのオマージュ曲「インジュリー・タイム」。
他界したニューヨークの知人に捧げた「カオス」(近未来を歌った曲は当時
あまりありませんでした。そういう意味でもこれは画期的な楽曲でした)。
甲斐よしひろ初の完璧なファンクナンバー「WORD」。
1916年の映画「イントレランス」への想い「ミッドナイト・プラス・ワン」。
さんまのために書き下ろしたハートフルなラブソング「THANK YOU」。
映画「極道(やくざ)渡世の素敵な面々」の主題歌「I. L. Y. V. M.」。
と、オマージュ色に満ちたアルバムとなっています。
ソロ1作目「ストレートライフ」がバンド活動と並行しながら作られていった
という経緯がある事を考えると、
この2作目がある意味ソロシンガーとしての実質的な
甲斐よしひろファーストアルバムではないかと思います。
バライティ色の強い楽曲群がその事を物語っているような気がします。
まさか甲斐バンドで「WORD」は演れませんからね^^
深い重みを持った楽曲揃いのこの傑作アルバムがリマスター発売されることは
ファンとして嬉しいかぎりです。
D・W・グリフィスの大疑問【全長版】 [DVD]
本当に素晴しい!
コレを最後に観たはいつだっただろうか・・・
日本で本作が見れる日が来るとは!!
リリアン・ギッシュの美しさに酔い、D.W.グリフィスの雄大さに感動する。
そんな一本ですよ。
イントレランス [DVD]
アメリカ映画の父D・W・グリフィス監督の超大作。
現代と違ってCG一切無しで、古代バビロン宮殿を再現し、城壁大攻防戦を華麗に再現。
俯瞰撮影で度肝を抜く場面の連続は物凄い迫力。
大城壁にペルシャの戦車隊が迫るスピード感が凄い。
4つの時代を描くという構成も斬新だが、中でも現代編とバビロン編が白眉。
若い頃、この作品の一枚の写真を初めて見た時の衝撃を忘れることは出来ない。
それは巨大な象の石造が立ち並ぶバビロンの宮殿であった。
当時これが映画のセットだとは、信じられず、遺跡か何かだと思ったものである。
単一のセットとしては、映画史上の空前絶後の規模であることは間違いない。
サイレントの時代にこれほどの超大作の決定版が製作されたことに驚愕する。
イントレランス クリティカル・エディション [DVD]
壮大な物語というより複雑な物語です。70年代のひとりぼっちの青春 [DVD]が2モンタージュでわかりにくかったですが、本編は4モンタージュで心してみないとさっぱり訳がわからないとおもいます。映画館で3回みてなんとなくわかったバカな私です。
淀川長治さんがはじめてこれを見たとき随分はしょってあったそうですが、私が映画館でみたときもここに書いてあるより短い上映時間だったので巻がたりなかったんでしょう。
ビデオやDVDはカットが多くがっかりすることがありますがこの分数ならメセナ上映の強烈なインパクトが味わえるかもしれませんし、なんども見てモンタージュの呪縛からのがれることもできるかもしれません。