ブレードランナー ファイナル・カット (2枚組) [Blu-ray]
120インチ、フルHDプロジェクター(VP-11S1)での視聴感想です。
ブレードランナーはかなり以前にDVDで視たきり。“SF映画の金字塔”との触れ込みでしたが当時それほど深い印象を持った記憶はありません。
しかし、このブルーレイ版の画質は素晴らしい。「未知との遭遇」のブルーレイ版も悪くなかったですが、それ以上の質の高さ。画質の甘さを殆ど感じませんでした。最近の映画はどうもCGに頼りすぎていて現実感、実態感に乏しい印象があるのですが、このブレードランナーは、昔ながらの骨太さを持ちつつ、地に足が着いたしっかりとした出来だと思います。約2時間、心底堪能しました。出来る限り高性能な機器での視聴をお勧めいたします。
買って損は絶対無いですよ!
メイキング・オブ・ブレードランナーファイナル・カット
あれほど完璧に思える作品でも、リドリー・スコットが100%思い通りに作ったものではないのだということに驚きを禁じ得ない。
例えばレプリカントたちが火葬用小惑星から脱出する場面、ゾーラがスネークダンスを踊る場面などは予算上の理由で撮影されなかった。撮影したが挿入されなかったカットもある。ハリソン・フォードがピアノを弾きながら夢想する一角獣のシーンである(これはディレクターズカットで復活している)。
脚本も二転三転している。ハンプトン・ファンチャーからデイヴィッド・ピープルズへと交代し、さらにローランド・キビーが最終的にナレーションを書いている。
映画製作現場が和気あいあいとしているとは思わないが、これほど混乱を極めていたとは。しかしその混乱は予算内で最良のものを作りたいというスタッフたちの姿勢ゆえのものなのであり、軋轢を恐れていては思い通りのものはできないことを教えてくれる。