中島敦全集〈2〉 (ちくま文庫)
特に印象的だったのは「悟浄歎異」。西遊記を題材にした小説です。沙悟浄が孫悟空や三蔵法師の人物について語るという形式が採られています。何も考えていないようでありながら思索を行動にまで昇華させた悟空と、どこまでも内に内に思索を深めていく三蔵の対比は見事としか言いようがありません。そして、全くの対極にあるふたりが、人生を必然であり自由であると考える、その一点においてのみ一致しているという面白さ。小説というのは人物をここまで表現できるのかと思い知らされるような作品です。
るるぶモルディブ (るるぶ情報版 A 16)
モルディブの数あるリゾートの中でも新しく豪華なリゾートを中心に、その他、自然志向のリゾート、海が綺麗なリゾートなどを取り上げている。
世界のホテル・チェーン(フォーシーズンズ、コンラッド、スターウッド、ココア、コンスタンス、タージ、シャングリ・ラ、バンヤンツリー、シックスセンシズ)がこぞって、モルディブにリゾートを開設しているという記事はおもしろく見た。
ジュメイラも進出したとか。写真を見ると、コンスタンスとか確かに美しいと思う。
ハネムーナーやカップルの旅行先の選定に役に立つと思うし、各ホテルのどのランクの部屋がお勧めかといった情報(各リゾートの「BestChoice」が載っている)を求めている人にも助けとなる情報があるだろう。
ただ、ビーチサイド・プールとかオーバーウォーター・プールとか確かにすごいと思うが、ちょっとやり過ぎではとも思う。
個人的には、モルディブはシュノーケリングが手軽に多様に楽しめる点で比類がないと思っており、その意味で、シュノーケリングに適しているか否か格付けしてあれば、自分的には、それだけで星5つという気持ち。
ハウスリーフの透明度や魚影のレベル、あるいは、ビーチからドロップオフまでの距離、潮の流れの強さ、フィンのレンタル料金など、シュノーケラーについての必須情報があまり掲載されているとはいえないのは残念。
「ハウスリーフのよい島」というやや漠然としたリストはP87にあり、アンガガ、ヴィヴァンタ・バイ・ダージ・コーラルリーフ、フィリテヨ・アイランド、ヴェリドゥなど23のリゾートが挙げられている。
また、ジンベイザメについてはダイブサイトが紹介されている(P82、アリ環礁最南端のマーミギリ周辺など)。
なお、おもしろいことに、ベビーシッター・サービスは高級リゾートほどある一方、「隠れ家ビラ」カテゴリーにはほとんどない。ベビーシッター・サービスの内実は、家族連れには気になるところだが、本書では詳細は分からない。