官僚たちの夏 [DVD]
悲しい・・・。
先日衆議院選挙が行われ民主党が勝利し、約50年続いた自民党政権が終わった。
この選挙の関心は高く、投票率も高かった。
「これからの日本はきっと変わる」とこの結果をみて思ったのだが、本作「官僚たちの夏」の視聴率を見ると疑問に思えてくる。
本作は日本の底力や日本人が日本人でいられれることへの誇りを持たせてくれるメッセージが発せられている。
その一方、政治家や政府への痛烈な批判も込められている。
「経済発展で生まれた一番のひずみは日本人の『精神』ではないでしょうか?」「日本人が日本人であることの誇りを持てる国造りをしなければいけない」
毎回ドラマが終わると、「今自分たちに求められていることはなんだろう?」「今の日本は本当に『豊か』といえるのだろうか?」など、さまざまなことを考えさせられた。
今、日本人が考えなければいけないことが多く詰まっているドラマである。
このドラマを見てすべての人は奮起しなければいけないのに、平均視聴率一桁とは、本当に悲しくなってくる。
今回の選挙で見られた盛り上がりはしょせん一時のことだったということだろうか?
「良い国造り」をしていくためには政治家だけでなく、大衆も含めたすべて国民で考えなければいけないことだ。
そのことをこのドラマを見て学ばされた。
放送期間中見ていない人はDVDになったらレンタルでもいいので見てほしい。
そして考えてほしい。
真の意味での『豊かな国』を・・・。
劇場版・華麗なる一族 オリジナル・サウンドトラック
キムタクバージョンが有名な同作品ですが、
本家本元はなんといっても、佐分利信主演の映画版です。
本CDでは、佐藤勝の劇伴を、本編と同じ順番でそのまま収録。
映画をそのまま、音楽だけで追っている感じで、
シンプルすぎる構成が、逆にいいです。
重厚かつ華麗なメインテーマのさまざまなアレンジや
「家族の食卓」のショッキングな出だし、ユーモラスな「鎌倉の男」など、
佐藤勝ワールドが堪能できます。
映画のすぐあとに製作された
テレビ版(毎日放送)のテーマ曲が、おまけで入っているのもうれしい。
山村聰、山形勲、佐藤慶、内田朝雄、曾我廼家明蝶など、
映画版に劣らず、名優揃いのドラマ版ですが、
映像が残されていないのか、視聴の機会がありません。
坂田晃一作曲の名テーマが聴けるだけでも、至福です。
不毛地帯 [DVD]
原作を先に読んでから、この映画を観たのですが、181分という長い映画でありながら、物語は原作の1/4程度で幕を引きます。それだけ原作が大作であることは分かるのですが、この映画から「不毛地帯」に入った人はちょっと尻切れトンボ的な印象を持ってしまうかもしれません。何より壱岐正という人間の生き様はまさにこれからというところで終わってしまうので、この段階での幕引きだと、壱岐正という人物に不信感を抱いてしまう人もいるだろうなと思いました。この物語の核は、壱岐正という男が自己との対話を逃げずに繰り返し、常に自身に誠実であることの素晴らしさを問うているものだと思うので、後半部を知らない方は、ぜひ原作を読んで頂きたいなと思います。
なお配役や設定については、本当にドンピシャという感じで、小説の雰囲気そのままを映像化できていて、さすがは社会派の巨匠・山本薩夫監督だと思います。
華麗なる一族 DVD-BOX
「白い巨塔」「氷点」等、数々のリメイク版見ました。
残念ながら、オリジナルを超えられるとは思えませんでした。
しかし、この「華麗なる一族」は、負けていません。
確かに、原作と異なり、主人公が万俵鉄平になっておりますが、木村拓也さんのひたむきな演技と、脇を固める俳優さんが、きら星の如く素晴らしいので、見応えがあります。年代設定を現代に変えず、昭和40年代にしたのも成功の一端かと思います。
万俵大介演じる北大路欣也さん、圧巻です。もう、付け足す言葉がありません。
寧子演じる原田美枝子さん、素晴らしい。
愛人高須相子演じる鈴木京香さん、原作から出てきたような、そしてプラスアルファ現代的なモダンさも兼ね合わせている相子役、どんぴしゃりです。
また、一回限りの登場の俳優さんが、また素晴らしい超一級の俳優さんぞろいです。
後は、津川雅彦さん、西田敏行さん、武田鉄也さん、笑福亭鶴瓶さん、柳葉敏郎さん、中村トオルさん
、そして若手の成宮寛貴さん・・・と、言わずもがなの俳優さんが、固めておられます。
女優陣の華麗な?ファッションも目の保養です。
むしろ、リメイクではなく、全くの新しい作品としてご覧になるのをお勧めします。
DVD化が楽しみです。