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Norwegian National Opera [DVD] [Import]
首を吊る老人から始まり、弱肉強食、死体、ポルノ等の映像を背に、まるで見世物小屋さながらの背徳感の中『Shadows Of The Sun』『Blood Inside』を中心としたサイケデリックで浮遊感あふれる楽曲が絡んでゆく。
終盤では異形の老人がステージに登場し、今にも崩れ落ちそうな奇妙な動作と共に観る者の心臓の鼓動に拍車をかける。
観終わってみても張り詰めた緊張の糸はほぐれる事はなく、現実の混沌、絶望感、業...やはり背徳のような物が感情に訴えかける。
DVD & Bluerayの2枚組、楽曲の再現度も高いのでアルバム未聴で興味がある方は先にこちらを買ってみても面白いかもしれない。
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Shadows of the Sun
ULVERの作品は、作風に関係なく、
どれも非常に叙情的ですが、
彼らの新譜、このShadows of the Sunは、
輪をかけて、素敵でした、心を揺さぶられました。
生楽器を大きく前面に出した、ポストロックとでも言うべき雰囲気で、
ビートは少なく、ひっそりと響き渡るピアノ、管弦楽器を中心に、
電子音響、穏やかなヴォーカル、ヴォイス・エフェクトなどが響き合い、
とても静かで、悲しく、そして美しい音楽を、聴かせてくれます。
流麗なストリングスの、その儚く、繊細な音色に乗って、
ULVERらしい、もの悲しいメロディーが、
ひっそりと、聞こえてくる、それが、なんだか、
あまりに切なくて、思わず涙が溢れてきます。
しかしながら、何というか、あの、Nattens Madrigal、
あの、凄まじいギター・ノイズに塗れた、Nattens Madrigal、
アレを作ったバンド、その同じバンドが、
これほどまでに繊細な音楽を作ってしまうんですね。
ULVERの懐の深さ、稀有な才能には、改めて驚かされました。
こんなに面白いバンドは、そう滅多にないと思います。
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The Madrigal Of The Night : Eight Hymnes To The Wolf In Man
ノルウェーのブラックメタルバンド、ウルヴェルの3rd。1996作
聴いてみて、なによりまず、このノイジーな音質にびっくりする。
これはプリミテイブブラックを目指して意図的に音を悪くした…のだろうか?
チリチリとしたギターの音がとても耳障りで、軽いドラムがスタスとブラストしてます。
狼と月をテーマにしているようで(つまりは狼男か)、確かになんとなく曲は夜っぽいし
ときおりメロディアスなフレーズも出てきたりします。(がなり立てるVoも狼っぽいかな?)
このチープな音質の中に、本物のブラックメタルの魂を垣間見たとき…
僕は本物のブラックメタラーになれるのでしょうね。でもノイジーで耳がツライです(;_;)