古事記
オリジナル Audio-CDと、完全再現ライヴ DVDを、セットにした特別盤。「古事記」は勿論、日本誕生を描いた、国内最古の書物である。
「シルクロード」時代はポップで短かった曲が、本作では6〜9分と大作化。聴くのに少々決意が要る(笑)ようになったが、ビルボード・イージーリスニング部門で1位を独走したことからも分かるように、楽曲のレベルはとんでもなく高い。
特に凄いのが「饗宴(MATSURI)」だ。「シルクロード」と並ぶ、喜多郎の代表作となったこの曲。天照大神(あまてらすおおみかみ)を天の岩戸から誘い出そうと、宴を催すシーンを描いている。ピーヒャラ・ピーヒャラと楽しそうな笛の音が見事にシンセで表現されている。遂に天照大神が姿を現し、世界に光が戻ったシーンを表したエンディングは神がかり的だ。
饗宴(MATSURI) 主旋律:
ラーラーソーラソ|ミーミーレーミレ|ドードーシードシ|ラーラーソーラソ|←段々下がる
ミーミーソーソー|ラーラードーミー|ソー ←段々上がる
音源サンプルが見つからなかったら、上記をピアノで弾いてみよう。凄いメロディーだから!
ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻
夫の浮気や妻の焼き餅や夫婦喧嘩や仲直りや…。人間臭い出雲の神様の話が、こうのさんの画力(魔力?)で、ときにはコミカルに、ときには切なく、読者の心に触れてきます。オオクニヌシノミコトが高天原からの使者に出雲の国を渡す、という話が唐突な感じがしましたが、これは大和が出雲を征服して大和朝廷を建てたことを表しているんだそうです。そのため出雲の土着の神話が大和の神話に組み込まれて古事記に編集されているんだとか(『17歳のための世界と日本の見方』(松岡正剛))。
現代語訳 古事記 (河出文庫)
古事記の現代語訳として、読みやすい著作。一回は通して読んでおくのがいいと思う。
何年か前にはじめて読んだときには系図のところが冗長で、物語の部分は不可思議で、歌謡の部分は曖昧に感じたのだが、色々と他の著作を読み、古事記のことも調べた今では、系図のところはもちろん書かれる際の本筋の目的なのだし、物語の部分は各地方の民間伝承の反響として読めば想像が広がり、歌謡の部分についていえばこの部分こそが書かれた言葉に魂をこめる呪術的な要素として必須なのだということを知ることが出来、そんな視点で読むと何倍も味わい深くなる。
親しみやすい日本神話本。