ふたり
♂である自分が、5枚だけ持っている(※)ジャニーズ系CDの1枚がこれ。少年隊の「ふたり」である。少年隊というと「ダンス」のイメージが強い。実際、有名な作品は殆どがアップテンポのダンス曲だが、こんなに良いバラードの持ち歌もあるのだ。作曲は、CHAGE&ASKAの、飛鳥涼。素直な発声で、好感が持てる1曲。歌のトップテンだったかな… 能の舞台からの中継が、和の雰囲気でとても良かった。
♪どうして そんな風に 自分を辛くするの
♪涙を ふきなよ ねぇ KISSをしよう〜
植草君の歌い出しが、思った以上にマル。とても良い曲なのに、他のどのアルバムにも収録されておらず、入手困難だったが、続・青春歌年鑑 1988 で久々に買えるようになったので、この機会に是非。
※他の4作は:嵐「truth」、光GENJI「STAR LIGHT」、男闘呼組「DAYBREAK」、Kinki Kids「ボクの背中には羽根がある」
夢売るふたり オリジナル・サウンドトラツク
映画をみて、あ、このサントラ欲しいと思いました。日曜のポカッと晴れた日に聞いて、お茶飲んでゴロゴロしている時に
最適です。映画もTVドラマと違う松さんの凄みを見れておもしろいです。CGばかりの映画に飽きた人に見て欲しいです。
夢売るふたり [Blu-ray]
人間の心理のえぐい部分を突いてくる心理劇である。
これはピンチに陥ったとき、自分なら?という究極形のようだった。
また罪を重ねたものに言えるのだろうが最初はどこかにあった
罪悪感が罪を重ねるにつれ麻痺していく心理。
それもしっかり表現されている。この作品の良いところは
そうしたなかで役者がそのリアルさを内容を超えているのではと思うほど
リアルに演じていることだ。
西川美和監督は毎回面白いテーマを我々に向けてくる。
今回は展開に少々粗さを感じたが先述通り
役者がそれを凌ぐ勢いなので助けられていた面もあったのではないかと感じた。
夫・阿部サダヲが“稼いで来る”につれ、
女として1人取り残される孤独を演じる妻・松たか子がとくにリアルで
観ていてものすごく怖かった。共犯者とはいえ、やはり1人の女性なのだなと。
ふたり鷹 (11) (MF文庫)
ふたり鷹は言うまでもなく鷹という名前が付いた2人の男の物語です。
その終焉を迎える11巻ですが,果たしてこの物語のゴールを切るのはどちらの鷹でしょう。感動のラストです,全巻購入して楽しんでください。
夢売るふたり [特装版] [Blu-ray]
〜夜空に瞬いていた星たちが、いつからじわじわと雲に隠れていって、気がつけば、とりかえしがつかないくらいに、空が汚れていた〜
劇場パンフの冒頭に西川美和が贈った一文に続けるならば、その新作は、大都会東京で、慎ましやかな居酒屋を営んでいた夫婦が不慮の事故で生活と希望の糧を失い、再起に向けて歩き始めるも夢遥か遠い中、ある出来事を契機に結婚詐欺を思いつき、自分たちの人生のやり直しを謀ろうと奔走する物語だ。
そしてそれは、この物語で翻弄される人々の心の奥底の闇と孤独を描き出し、と同時に、多面的で複雑な者たちによる人間ドラマは、切なさと可笑しさと共に、ある種の愛おしさも感じさせる。
実際、この映画の登場人物の中に根っからの悪人はいない。ひとり淋しい思いを抱いている女性たちを結婚の二文字でたぶらかし金を取る事は、人の弱みにつけ込み、心を踏みにじる行為であるが、そのキャラ故か憎めないし、女たちも殆どが騙された事への怒りのみならず、ひとときの幸福感を与えられた事への喜びすら感じている様思える。騙す側の気持ちも、詐欺で取った借用書を部屋に張り出し、お店が持てた暁には必ず返済するとの誓いで良心の呵責に耐えている処がある。
主演の松たか子と阿部サダヲの絶妙のコンビワーク。
これが実に良い。どこか頼りなげだけど憎めない夫と犯罪に手を染めてもなおしっかり者の妻。中盤までは人間喜劇の要素が強く笑えるが(中でも、重量上げの選手である女性をカモに“兄妹”としてアプローチしていく際の会食シーンでの「あの子は無理だよ」、「あの子は無理よね」との会話は白眉)、詐欺行為を続けていくうちに、ふたりの心には隙間風が吹き始めて、、、。
人を騙す事には罪悪感を感じなくても、夫の情交には心掻き乱され、遂には陰欝妄想に陥る松たか子が哀れで痛い。
様々な思いが交錯し、いつもの西川作品らしく観る者に判断を委ねるようなミステリアスな展開となるが、いつかどこかで光が灯るような結末が待っている事を願わずにはいられない。
映画のオープニングから全編ゆったりと流れるアントニオ佐々木とナカムラの温かみと香り高さ漂う極上のギター・デュオ。
甘美でさらっとした透明感と、心地良いアンニュイさを醸し出すその調べが、思い思い生きている登場人物たちの心を優しく包容するような癒しを感じさせる。
松たか子の自慰シーンばかりが話題に上るが、今年の日本映画屈指の作品として、「ゆれる」、「ディア・ドクター」に続いて、またしても、賞レースを賑わせる傑作だと思う。