プッチーニ:管弦楽曲集
ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Antonio Domenico Michele Secondo Maria Puccini 1858 - 1924)はいわずと知れたイタリアオペラの偉大な作曲家である。このアルバムがそんなプッチーニには珍しい純器楽のための作品と、オペラの間奏曲などが収録されている。彼の歌劇はいずれの作品も新しい価値を目指した創意工夫があるが、基本的に雰囲気を盛り上げるための活用に関するアイデアが中心で、ワーグナーのような音楽書法上の「動機」としての発展はほとんどない。優れた作品では、人物の表現や感情がきわめて適切に表出されている点で評価されている。(この評価軸こそ、器楽作曲家と歌劇作曲家の大いなる違いと思う)。
そんなプッチーニの管弦楽曲を聴いてみると、これは見事なほど「声のない歌劇」である。オーケストラのためのアリア、といった趣で、優美哀麗な旋律で、一つの大きな感情が、大きく弧を描くように紡がれていく。クライマックスではティンパニと金管の豊穣な響きが満ち、壮麗なファンタジーを築いて、弦楽器による余韻が美しく末尾を引く。このアルバムを聴くとまさにプッチーニがプッチーニとなったすべての理由を知るような気になる。彼は徹頭徹尾オペラ作曲家だったのだ。「いい台本がなくては私の音楽は役立たない」とは彼自身の言葉である。
演奏は録音がクリアなこともあって、瑞々しいブルーなカラーが見事。シャイーと良好な関係が続くベルリン放送交響楽団だけあって、全ての音がクリアに響く“シャイー・サウンド”を堪能できる。結果としてなかなか情熱的なプログラムになっている。もちろんオペラの前奏曲や間奏曲の表現もバランスがよく、安心して楽しめる。
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」全3幕/チャン・イーモウ演出 [DVD]
あの北京オリンピックの開会式でクチパクとかCGの花火とか、良くも悪くも話題になった、総合監督チャン・イーモウが演出しているオペラ。ちょっと興味がある。
トスカ*歌劇 [DVD]
小澤征爾やキリ・テ・カナワのファンならずとも、必見の価値はあります。歌唱力、演技ともに素晴らしいカナワにあって、今回特に印象的だったのは、やはり見せ場の一つとして有名な、「歌に生き、恋に生き」を切々と歌い上げるシーンでしょうか。理不尽な仕打ちに対する嘆きを、神に訴えながらも、女の情念や決意を垣間見せるカナワの表情が、歌姫トスカの生き様と重なって見事の一言につきます。スカルピアの殺害前後は、カナワの不安や鼓動まで伝わってきそうな緊迫感にあふれ、芝居だということを忘れてしまいそうでした。舞台衣装や美術は、オーソドックスですが、スカルピアの執務室にある巨大なテーブルを支える人間のオブジェ?は、秘密警察の長官というスカルピアの職業柄を暗示しているようでユニークでした。編集のメリットもありますが、ただカーテンコールは、最後まで収録されていないのが残念でした。
ぐっすり眠れるクラシック
特に不眠という訳ではないのですが、リラックスしたい時や
夜にアロマディフューザーを使いながら一緒に聴いたり、部屋でくつろぐ時に
掛けます。とっても癒されます。
3、4曲目のジムノペディがとても綺麗で、どこか別の世界へ飛んで行きそうになります。
とにかくうっとりします。