恋の夜鳴きうぐいす~クープラン:クラヴサン名曲集
ロシニョール(仏)、ナイチンゲール(英)、ナハティガル(独)の名で知られる鳥が標題作の鳥であって、
ストラヴィンスキーの『うぐいすの歌』も実際はこの鳥を謳ったものです。
さて、自分はクラヴサンという楽器には親しんでおらず、クープランのその楽曲集にもごく最近まで触れていなかったのですが、
この演奏を聴いて煌びやかな演奏に陶然とし、さっそく購入するに至りました。
確かに別盤と聴き比べてみれば、ボーモン盤は大人しい印象を受けるのも無理からぬところですが、
彼自身クラヴサン曲の全集録音を為していることもあり、演奏にあたって自分なりの解釈をもって臨んでいることが理解されます。
一音いちおんを取り出してもボーモンのクープランには鮮烈さがあり、それは決して語るに足らぬものではなく、
バロックの真髄を極める演奏にはなっていると自分は聴きました。
クープラン:王宮のコンセール集
ブリュッヘン、クイケン兄弟、レオンハルト… 今となっては共演を望むのも難しくなってしまった感のある巨匠たちが、1960~1970年代に掛けてレコーディングしたセオン・シリーズは本当にすばらしいと思います。このクープランも期待を裏切ることなく素敵な音楽を奏でてくれました。時には合奏で、時にはデュオで。室内楽が好きな方なら飽きることなく繰り返し掛けつづけてしまうのではないでしょうか。当時盛んに行われていた王宮での演奏が極上の演奏によって蘇るようです。
バロックピアノ曲集 (世界音楽全集ピアノ篇)
リュリから5曲、ダカンから3曲(つばめ、かっこうを含む)クープランから20曲、ラモーから15曲収録されていて、有名曲はほぼ網羅されていますので、フランスバロックを勉強しようと思う初心者から上級者まで使えます。(ちなみに収録されている4人ともフランスの作曲家です)
問題の装飾音ですが、DOVER社から出ているクープラン2冊、ラモー1冊の本と比べると格段に丁寧に表記されているのがよく分かります。細かい音符で具体的にどう弾けばいいのか書いてありますので譜読みしやすいです。(もっともDOVER社から出ている本は全曲網羅しているのでそれはそれで価値がありますが)注釈も多数ついていますので、安心です。
クープランでは有名曲をほぼ網羅(ティクトクショック、修道女モニク、蝶々、シテール島の鐘、葦、百合の花開く、神秘的なバリケード、恋のうぐいす) ラモーでも有名曲をほぼ網羅(やさしい訴え、タンブーラン、ソローニュのお人好し、独眼巨人、めんどり、ガヴォットの主題と6つの変奏、エジプトの女)しているので有用です。
欲を言えば、クープランでもっとも長い曲といわれている「ドミノ(主題と変奏)」と、リュリ「ロンド風ガボット」が収録されていない事くらいです(後者はシフラのバロック曲集CDに収められている曲で、音楽の友社のバロック曲集には収録されています)
この本一冊持っていれば、だいたい用件は足りると思います。もし、もっとクープランやラモーを勉強したい人はDOVER社の楽譜を買いましょう(全曲収録されてます)
楽器の世界コレクション1 - ブランシェのチェンバロ - 18世紀ヴェルサイユ・クラヴサン音楽の美の世界 浜松市楽器博物館所蔵の名器“ブランシェ”による [DVD]
浜松市楽器博物館所蔵の18世紀フランスで製作されたチェンバロの名器が、世界的な活動を行っている日本の代表的チェンバロ奏者である中野振一郎さんの演奏で現代に蘇りました。
音質が非常に綺麗で、13インチ液晶テレビの小型スピーカーでもチェンバロ独特の響きと音色が見事に再現されていました。
博物館のレクチャーコンサートの収録なので、曲の合間にはチェンバロとピアノの構造上の違いを映像で示したり、超絶技巧の手元のアングルがあったりとCDでは不可能なDVDの特性を十分に活かした構成となっているので、音楽好きや楽器演奏者のみならず、音楽教育の教材としても使えるのではないかと思いました。
またDVDからWebにアクセスできるシステムが組み込まれており、浜松市楽器博物館のサイトや「世界の楽器コレクション」オフィシャルサイト(今回は先行販売なので現在鋭意制作中とのこと)にリンクするので、DVD購入後も発展性があって非常に面白いと思いました。
リンク先の博物館のサイトによるとCDのシリーズは多く発売されているので、このDVDシリーズの今後の展開が楽しみです。
クープラン:クラヴサン曲全集 (Couperin: 4 Livres de pièces de clavecin Complete haspsichord music)
使用楽器の響きが良い。丁寧な録音編集がより一層それを聞き易いものにしていると思う。
演奏もやや早めのテンポながら舞曲らしい歯切れの良さがあり楽しく聴けた。
ラモーの全曲集とか出してくれないかな?と次を期待する名演でした。