故郷、日本をうたう
とつとつと丁寧に歌われています。
日本語ってこんなに歌的な言葉だったと気づかされました。
少しもりきまず、自然に流れて行き、それでいて軽くない。
最近のCDで、特に感銘を受けた1枚です。
最後の曲も、某テノール歌手のように変にりきんで、
「オペラ歌手でございます!テノール歌手でございます!」という
へんてこな歌い方ではなく、すーっと心にしみこんできます。
有名無名を問わず、後世に伝えたい美しい日本語の歌を皆さん聴いてみてください。
ひぐらしの哭く頃に 雀 燕返し編 (上) (近代麻雀コミックス)
正直、数ある竜騎士07先生のお小遣い稼ぎ“ひぐらしクローン”の一つだと思いながら、コレクションのつもりで購入しました。
申し訳ありませんでした!
ひぐらし全編を俯瞰する形で良くまとめられた、圭一視点の良質の新作です。
麻雀が主要なストーリー軸を為す「部活ゲーム」として扱われ、全てがその周りで展開しながら、(恐らくは)惨劇へと向けて突き進んでいきます。
ルールX・Y・Zを押さえながら、妙なおふざけやメタな“外し”・無意味な新キャラ登場もなく、シリアスにカケラが紡がれていきます。
すでに完結数年を経たシリーズのファンにとって、このタイミングで正統派の新エピソードが読めるのは、本当に嬉しい限りです。
麻雀誌を読んだことがないので、麻雀マンガとしてどのくらいの完成度なのかは分からないのですが、「役は一通り分かる」レベルの私には、駆け引きなども十分楽しめました。
この後、やはり惨劇が待ち構えているのか、あるいはまさかの“井戸の外”があるのか、下巻が本当に楽しみです。
重ね重ね、竜騎士07先生、申し訳ありませんでした!そしてありがとうございます!
あの頃映画 喜劇 一発大必勝 [DVD]
1968年制作の映画。「一発」シリーズの最終作であるとともに、ハナ肇主演の最後の山田映画になった。
他の方が指摘されているように、森崎東氏が脚本に参加しており、それまでのハナ肇主演の映画(「馬鹿」シリーズ等)を含めても異色だし、山田映画全体の中でも「吹けば飛ぶよな男だが」(1969年)と双璧な異色作ではないだろうか。
主人公も、今までの山田映画なら”粗野だが根は好人物”的な人間であるが、この映画の中のハナ肇は、どこか得体の知れない悪い部分さえ感じさせる(ただし、終盤になると山田テイストが出ているような気もするが)。
山田映画らしい、無理がなくわかりやすいストーリーの展開ではあるが、山田映画特有の予定調和的な感じがなく、不思議な緊迫感もあって、最後まで引き付けられる部分はあった。ただし、数ヵ所、とてもグロテスクな場面があるので、山田映画のファンには評価が分かれるところだと思う。
仮面ライダー 1 (トクマコミックス)
本書、山田ゴロ版「仮面ライダーシリーズ」、DVDはおろか家庭用ビデオデッキさえ普及していなかった時代に、TVヒーローの活躍を反芻するにはこのようなコミカライズの存在が重要であった、しかも本作は放映当時のリアルタイムコミカライズではなく、仮面ライダーの放映が(ストロンガーで)一旦終了した後に、いわば連載当時ですでに懐かしのヒーロー的立ち位置で描かれたものであり、すでにこの時点で彼ら「仮面ライダー」が伝説のヒーローであったことを強く印象付けるといえるだろう。
その後、スカイライダー、スーパーワンは放映にあわせたコミカライズとなった、すなわち本作の存在がライダーシリーズ復活の要因になったとも言えよう、
当初は石森章太郎の「少年マガジン版」仮面ライダーの構図を流用し、(おやっさんのデザインも石森版に準拠)石森版のダウンサイジング的コミカライズであったが、山田氏はみるみる頭角を現し、村枝氏以前では「日本で一番」仮面ライダーを描いた作家となった、
特にv3の「幸せな子と書いて幸子っていうの、、」や、「ライダーマン編」への力の入りよう、クールなXライダーの描写や、人間より動物にシンパシーを感じているアマゾンの描写等は、ファンの記憶に残るところ、このビデオが無くて視聴できないがゆえにイメージを膨らませるコミカライズの存在が後のクリエイターの二次創作的想像力の展開に強く寄与したことは想像に難しくない、
意外な事に、山田ゴロ氏本人はTVの仮面ライダーを一度も見たことが無いそうで、渡された設定からあのような「仮面ライダーらしい」物語を創出していたのだ、(ZXがTVで放映され無かったことも知らなかったそうである、)
仮面ライダーについて語るとき、実際にTV放映されたオリジナルと共に欠かせない存在感を放つ、それがこの山田ゴロ版「仮面ライダー」である。