ハイドシェック:宇和島ライヴ2 (Erick Heidsieck in Uwajima 2 Beethoven Recital) [日本語解説書付]
この演目を私は2度実演で聴いた。何れも衝撃的な体験であり、その体験は20年ちかい年月を経てもすこしも色あせない。しかし録音はそれをほとんど捉えていないように思える。残念だがそれが限界なのか?あの『テンペスト』もそうなかのか?それを考えると空恐ろしくなる。
ハイドシェック:宇和島ライヴ4 (Eric Heidsieck in Uwajima 4 '94) [日本語解説書付]
どの演奏もハイドシェックらしい即興性に満ちた演奏だ。音質も他の宇和島シリーズと同様、充分に美しい。 ところで、レビューの本旨からは外れるが、「告別」について。このCDに収められている演奏も勿論名演だが、未完に終わったベートーヴェンのソナタ全曲演奏会での演奏(2・3楽章間にハイドシェック10分間の退出、その間私たち聴衆はそのまま待機)がまさに人間業を超えた凄まじい演奏だった。これが録音されていればさだめしもうひとつの伝説となったことだろう。
ハイドシェック:宇和島ライヴ1 (Eric Heidsieck in Uwajima 1 Tempest・Estampes) [日本語解説書付]
‥‥‥というカントの論文名を引用したくなるような、この「テンペスト」だ。一般の次元を遥かに超えた芸術は、崇高な世界に接近する。このようなレベルの演奏は、もはや言葉によってその凄さを伝えるのは、不可能、無意味。