マニアック昭和歌謡コンピ第4弾。
前の第3弾が「隠れたおもしろ曲」がメインだったのに対し、
この第4弾は「隠れた名曲」がメインと言った印象。
以下、気に入った曲です
3「サルビアの花」… 始まった瞬間前までの曲と比べて音が格段に良いのにびっくりさせられます。曲もシンセ(もしかしたらテルミン)やチェロ(もしかしたらウッドベース)などいろんな音を取り入れていて、音へのこだわりが感じられる1曲。
9「踊り子ルイーズ」… 今でも古びた感じなく聴ける良曲。男声と女声による弾き語り風の曲なのですが、男性のまったりボイスと女性のハスキー気味な声が素晴らしいです。
11「夕陽の中へ」… ハービー・ハンコック風のおしゃれソング。ボーカルをいじったりしてたりして音的にも面白い。メロディーも良いです。
13「死にぞこないの唄」… 思想的には反戦で歌詞も結構えげつないのですが、ハイテンション過ぎて面白いことになっている曲。この手の曲にしては珍しく音はかなりしっかりと使ってます。
14「いきたいところがあるんだ」… ピアノの弾き語り。
名曲ですつД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
なんでこんな素敵な曲が広まってないんだろう。
15「もてないおとこたちのうた」… タイトルが胸に突き刺さる感じですが、それはさておきイントロからかなり音へのこだわりが見えます。曲は激しく内省的なギターの弾き語り。
メロディ良く、歌も感情たっぷりなのですが、歌ってる内容が内容なので聴く人を選ぶ感じになるかと…
16「海岸通り」… 前の曲から一転、ほのぼのソング。ボーカル、ピアノ、ベース、ドラム、コーラスの心地よいハーモニー。
(※)「自衛隊に入ろう」を入れてないのに納得行かない人は多いかと思いますが、この曲は当時の世間の空気感を知った上で無いと入り込めない歌の気がします。リアルタイム世代ではない私にとっては「当時はこの曲熱かったんだろうな〜」とどうしても想像する感じになってしまい、そのまま曲に入り込むことが出来ません。
金森幸介は2008年に12枚ものライヴ・アルバムを発表している。本作はその12タイトルからのベスト盤。曲によって音(音量)が一定でないのは、きっとライヴ・ハウスによって、また録音の手法が異なるからだろう。スタジオ録音盤に慣れている方には、それが荒っぽく聴こえるかもしれない。しかし、そのザラついた感じが生々しくもある。
このアーティストが18歳のときに書いたという「悲しい日々」は言わずと知れた名曲であるが、その約40年後に書いた「ピート・タウンゼント」や「たとえば」も素晴らしい作品。良質の物語やエッセイの読後に襲われる爽快感と目からウロコが落ちてくる感覚が「ピート・タウンゼント」と「たとえば」にはある。<歌詞に重きをおく>というリスナーには是非、聞いてもらいたい。もちろん、前記した3曲以外にも佳作が並んでいる。最近流行のハンバートハンバートというデュオの佐藤良成が金森幸介を尊敬しているのもこのCDを聞けばよくわかる。
ライヴを中心に音楽活動を続けている金森幸介。彼は2009年4月25、26日、2日間かけて51曲を歌うというライヴを行う。そしてそれは5枚組みライヴCDとなって発表されるらしい。このシンガー・ソングライターは一体、どこまでライヴ・アルバムを出しつづけるのだろうか?
中村よおさんは神戸在住のミュージシャン・文筆家です。
ラジオのパーソナリティもされていて、関西地方で日曜日深夜、
というより月曜日の未明に番組を持っておられます。
このアルバムですが、まさしく、神戸・阪神間の雰囲気がよく出ています。
カレッジフォークほどカッコつけない、
でも四畳半フォークほど生活臭にまみれていない、
ほどよくお洒落、でも言いたいところはきちんと言う、
都会の、というより神戸や阪神間の洗練された感覚、
そして、ニヒルだが、ともすると虚無感の底に
落ち込んでしまいそうになる「何か」をだきしめて、
抱え上げ、いとおしむかのような楽曲…
とても親近感が感じられました。
製作は1988年ですが、曲の中には
1995.1.17(阪神淡路大震災)や
2011.3.11(東日本大震災)を想起させる歌詞もあります。
「僕の中で燃え残った街が燻って(くすぶって)いる
さようなら昨日までのロマンチスト(『場面』)」
「焼け落ちた家があった
傷ついた心があった
崩れ去る夢の中でも
美しく 美しく 美しくなれたら(『崩れ去る夢の中でも』)」
そして、最後に収録されている『夜を束ねて』の
このレビューのタイトルにした、「嘘になってしまうような…」の
歌詞に何かホッとさせられる自分がいたりします。
個人的にはこの曲が一番好きです。
「あの長い時間を忘れてしまった訳じゃない
でもそれにこだわり過ぎていたら
何も見えなくなってしまう(『夜を束ねて』)」
村上知彦さんの書かれているライナーノーツもいいです。
「神戸というのはこんな雰囲気の街だ」という一文に
思わず「そぅそぅ」と相槌を打ってしまう私です。
そして、それは阪神淡路大震災から復興してきた今も変わりません。
私は、日ごろクラシック音楽を聴いているのですが、
非常に気に入ったので、まことに門外漢ながら、レビューしてみました。
中村よおさんの新しいアルバムが待たれるところです。
後に「火の鳥」から早すぎたフォーク演歌を歌った高階シンと組んだ「ちいさなオルフェ」時代から、太田ぼうとのトリオ「都会の村人」(←関西フォークの傑作)「I.M,Oバンド」「五つの赤い風船」を経てのソロ2作目。当時ソーバッドレビューの石田長生氏、快心のプロデュース作。私が聴いていたこの『少年』までの金森幸介の作品は全てが素晴らしい。ある種の熱を帯びていてしなやかで優しい歌声は心地が良かった。どの曲も絶好調を感じさせてくれるサウンドを聴かせてくれます。駄曲なしで、ボーナストラックも聴けて良かったと思える出来映えの作品。ほんとうに「都会の村人」も是非CD化してもらいたいものだ。
レコードはジャケ買いでしたが、高校生の私はスピーカーから流れる金森幸介の悲しく響くハイトーンに虜になりました。軽快にアレンジされた楽曲からも、なぜか寂しさがそこはかとなく漂い、なんて悲しい歌を唱う人なんだろうと思いながらも、擦り切れるように繰り返し繰り返し聞いた記憶があります。レコードはまだ持っていますが、CDをあえて購入しました。
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