内容は60分。小品であるが、何とも言えない魅力のある60分が過ごせた。
別に有名な役者が出ているわけでもない、監督の独断と偏見がちらつくような強いメッセージもなんもない。
あえていってしまうなら、なんのドタバタも起こらないし、内容の起伏も全くない。
だからといって、この60分がまったく無為には感じられない。
それはなぜだろうか? この主人公、「ハラワタ」こと原田ワタルちゃんは、世間の誰でも背負っているような「自分って、中の下だな」感と「それでもなんとかなるっしょ」的な根拠のない自信、二つの相反する感情をぼんやりと抱えながら空気のように漂っている。存在感の薄いほぼ無個性ともいえる主人公だが、ぼーっと映画を眺めているうちに、いつのまにか映画を観ている自分自身が「14才のハラワタ」になったような気がしてしまう。
「視聴者≒ハラワタ」は、それを取り囲む人物たちが小さな幸せを拾う光景をにこやかに見守る。
日常は嫌なことばかりではない。ちっちゃなちっちゃな、ちっちゃな幸せの小さな積み重ね。だからハラワタは靴を磨くのだ……。
監督は19歳の学生、佐山もえみ。学生監督なので、脚本の甘さはあるし、演出もやはり首をひねりたくなる部分は多々あった。たしかに傑作とまでは言えないが、それよりも、どこにでもいそうだけどちょっとかわいい感じの女の子「ハラワタ」を演じた長野レイナの起用や、彼女自身の経験に裏打ちされた日常描写などは、何回も繰り返し観たくなる愛すべき作品だと感じた。
著者は頭だけで考えるのではなく行動の人であると感じました。人生は旅にたとえられるように、実際に自分の足で地球を巡り、多くの人たちに出会っていくのは、たしかに地球サイズのお遍路のようで、それだけでこの本も★5つの評価に値すると思います。
私事ながら、以前に金融関係の友人から、「契約書というものは大切なことは一番小さい字で書いてあるから、そこを読むように」と言われましたが、この本が「2012年」というタイトルの契約書だとしたら、そこに太字で書かれてあるのは、「2012年に何も起こらないと言う人たちにもいるが、これだけ可能性が見るのだから、何かがありそうだ」ということではないかと思います。つまり常識にとらわれる従来型の人間よりも、新しい可能性に勇敢に立ち向かう開拓者たちを描いたように感じられます。
そして細かい文字(のニュアンス)で書いてあるのは、「2012年に何が起こるかよりも、2012年をどう迎えるかのほうが大切ではないか」という言葉です。私はこれはまだよく理解できていません。私は3年以上先の未来をどう迎えるかよりも、今この一瞬を、目の前から流れてくる一秒先の未来をどう迎えるか、今を生きることが大切であると思っているからです。たとえば、2012年に何かが起こる確率よりも、1分先に大地震が局所的に起きて死ぬ確率のほうが何百倍も高いと思います。ですから、2012年をどう迎えるかということにあまり意味は見出せないでいます。
2012年にもし何も起こらなければ、著者は全国の読者やセミナー出席者たちにその説明をしてまわる新たなお遍路の旅に出発なさるおつもりなのでしょうか
私自身は、あの脱原発アイドルで有名な 『藤波心さん』目当てで買った本ですが、彼女の文章を読んだだけでも、頭がクラクラするほどの衝撃を受けました!!
震災以降、原発に疑問を感じ、反対運動などに積極的に関わってこられた彼女ならではの率直な思いが綴られていて、15歳とは思えないほどの鋭い感性と指摘に、末恐ろしささえ感じました。
出来うることならば某漫画の主人公である未来型ロボットに頼んで、彼女をすぐに被選挙権のある年齢に上げてもらい、国政選挙に出馬して欲しい気分になりました。
(この本は、そういう他力本願な姿勢では駄目だよ!と、戒めている内容でもあるのですが…)(笑)
彼女の意見に対して色々思う事はあると思いますが、一度は目を通しておいた方が良い文章のような気がします。
他にも、女優の 『杉田かおるさん』が、核兵器と原発の共通性や、チェルノブイリ事故当時についての思いなんかも書かれておられて、妙に感心したり共感したり…等々。
このように、この本自体は、まるで色んな人の寄せ書きのような感じなので、かなり読みやすい内容ではないかと思います。
まず、この本を他人に読み勧める事から、行動を始めてみようかなぁ〜。
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