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バリのホテルでジャック・ジョンソンを聞いたのが
一番最初。
 ジャック・ジョンソンってどうして海とこんなに合うのでしょう?
 
 翻って、ここには海も山もないけれど、
 でも彼の音楽をかけていると、なんとなく落ち着いて
 なんとなくいい気分になれます。
 
 ありきたりな表現しか出来ませんが、
 彼の声質といい、ほぼギターのみのシンプルな感じといい、
 ゆるゆるするのにちょうどいい感じです。
 家で聴くのもいいですが、ドライブにもよさそうですね。
 
 
   
『トレスポ』が音楽とヴィジュアルの美しさを描いたのだとしたら、本作はそれにユーモアとジョークを強くした感じ。俳優に関しては誰一人知らないかったが、むしろ、そのほうがいい。この監督はドラッグ・カルチャーについてある程度知っているのだろうから、そういう意味でも中途半端なできではない。トランス好きの人も是非みてほしい。”Out of the Blue”なんてべただが、ノリノリでキメテルとこがみれるので、なんか楽しませてくれた。この手のドラッグ映画はかなり観てきたが、とくにおおすすめの一作。
 
 
   
手持ちカメラを多用して
 変に凝ったカット割りにせず、ズームを使った素人臭いカメラワークにしたり
 
 全編わざとドキュメンタリータッチにしてあるのですが
 
 それが逆にとても効果的で
 
 フィクションなのにとてもリアルで真実のように見えてしまう
 
 それにリアルな設定とストーリーがからみ、妙ないい味を出してます
 
 また
 
 最初は全くバラバラの多数の登場人物
 
 (メキシコ側の取締官・密売組織、アメリカ側の取締官・密売組織、その他もろもろの人たち)が
 
 だんだん麻薬という一本の糸で集められ
 
 物語が収束していくストーリー運びも絶品
 
 総時間は長いけど一気に見られました
 
 初期の段階では登場人物の多さに「人物覚えられるかな?」と少々心配になるかもしれませんが
 
 役者さんがそれぞれ個性的ないい味を出しているからか
 
 物語へのキャラクターの出し方がうまいのか
 
 意外にすんなり覚えられます
 
 映画として面白いからだけではなく
 
 社会的な意味も含めて全ての人に見て欲しい映画ですね
 
 
   
なんともいえない悲哀に満ちた世界がそこには広がっており、なんとも救いがたい世界だなぁと思いました。しかし、そこに私は、(行った事ないですが)アメリカ・メキシコの麻薬事情にリアリティを感じて、引き込まれていった作品であります。友人に勧めると微妙な反応しか返って来ませんが、この作品でソダーバーグという監督の名前を覚えたし、デルトロという俳優が好きになったし、マイケルダグラスを見直した(と言ったら偉そうですが)作品になりまして、おすすめしたい一品であります。一度、(損するかもしれませんが)観てもらえんでしょうか。
 私は、傑作、だと思います。
 
 
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