今深夜放送されてるスレイヤーズの主題歌なんですが凄く曲ですよ!やっぱ、リナを演じる林原めぐみさんは素敵な方だと思います。
いつもながらの桑山十兵衛。スーパーマンではないのに、いろいろと片づけていくのが、なんとも愉快。安心して読めます。
たまたま手に取った本ですが、思わぬ拾い物でした。
「居眠り紋蔵」や「縮尻鏡三郎」も、軽くて、気軽ではあったのですが、熱中するというほどではありませんでした。
それに比べると、本作は、適度な軽さと重さがバランスよくて、読みごたえがありました。
一話一話のなかに、その中で終わる短編話と、全編を通す長編話が交じり合っています。
前者は、概ね市中の人情話であり、こちらが軽い話です。
後者は、やくざの勢力争いの話であり、血なまぐささの漂う、重い話です。
著者の筆は、楽々と物語をつむいでいっているように見えます。
読んでいて、安心感があります。
難をいうと、時たま、知識を披露するところがわずらわしい、と感じられたりします。
好みの問題で、そういうところが好き、という人もいるかもしれません。
時代劇ファンにはお勧めの一冊です。
佐藤雅美の時代物は会話が現代風で読みやすい。それでいながら時代考証がしっかりしている。このシリーズは2冊目だが、主人公は医者だから立ち回りはしないのだが事件が「向こうから」解決してくれる感じで愉快だ。
1984年に刊行された幕末の円ドル戦争と副題のついた単行本を、当時、大きな驚きをもって読みました。
通貨問題というのは、円の固定相場から変動相場制への移行の話だとばかり思っていたので、まさかそんな遠い昔の時代にも通貨戦争があるとは、思ってもみませんでした。
そして、それが、幕府崩壊の原因になっているとは・・・。
日本史で受験しましたが、全くそんなことは知りませんでした。
ハリスもオールコックも、名前だけしか知らず....全く、新鮮な切り口でした。
当時、日米貿易摩擦、金融自由化という時代でしたので、サラリーマンとして、等価関係をメモしきながら、考え考え、読んだ覚えがあります。
その後2000年に、著者が改稿、再出版したとき、もう一度、最初のときの感動を味わいたいのと、理解の程度を深めたいと思い、2003年刊の文庫版を購入してました。
結局、読むのが相当遅くなりましたが、この夏、読みました。
ほとんど初めて読むような状況で、やっぱり等価関係のメモが必要でした。
そして、最後の方の英国大蔵省のアーバスナットがオールコックに行う説明の項を読んで、全体の流れの整理がつきました。
幕末の頃から、「通貨の機能」という目に見えないものの動きを理解していた人がいた、というのに驚かされます。
まさに、現代に通じる幕末通貨戦争 だと思います。
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