やっぱりメアリは好きになれないですねー。これはメアリファンには好評と聞きましたが、それにしても私はメアリが好きになれない。 息子もスコットランドも愛さない。まあ、スコットランドはボスウェルと愛し合う中で全てが愛おしく思えたときに愛していましたが。 夫を殺し、夫殺しの犯人と結婚して王としての威厳を破壊しながら、女王としての扱いを求め続ける。エリザベスをののしりながら、助けが得られないと怒る。まあ、人間なんてそう言うものかもしれませんが、どこがいいのかわからない。 上巻のカトリーヌもそうでしたが、メアリも後半かなり口調が荒いですね。どこかの商人のおかみさんみたい。もう少し上品に訳してほしかったです。 フェリペとカトリーヌが組むのはまだしも、そこにエリザベスが加わった陰謀というのは考えにくい。複数の陰謀が絡み合ったとすれば、カークオフィールドの事件のちぐはぐさも理解できますが、この本の説明は今一ですね。 メアリが絡んだ事件では、この小説のメアリは全てクロですが、それに加えて性格も悪くて、どうして愛されるのかよくわかりませんでした。小説としては面白みもあったけど、本が高いのが気になります。
悲劇のスコットランド女王として知られるメアリ・スチュアートの生涯を描いた歴史小説。
かなり史実に忠実に、ただしあくまで視点を、女性としてのメアリの心情に置いて描かれた
物語です。
歴史小説というよりも歴史恋愛小説と呼ぶ方がふさわしい内容になっています。
血と陰謀の渦巻く世界で、一国の女王でありながら女として生きることを選んだ、愚かしくも
情熱的な女性の生き様を知る入門書としては良い作品だと思います。
ただ、会話部分の訳文がかなり浮ついた今風のものであるため、メアリが尻軽女のような
イメージになってしまっているのがまことに残念です。
おそらく、恋の情熱に浮かれた女性を表現するには、堅苦しい文語調でなく、現代口語のほう
が良いと判断されてのことなのでしょうが(原文のニュアンスを解釈できるほどの語学力が
ないので、原文がそのような文章であったのなら申し訳ないのですが)、翻訳されている方が
相当若い方なのかと勘違いしてしまったほど、違和感のある訳文でした。
あと、脱字が多かったです。
せっかくの良い内容の小説なので、もう少し丁寧に本作りをしていただけたら良かったのに
と思います。
The Byrdsの初期5作がそれぞれ紙ジャケで1パッケージに収まってこのお値段。1枚あたり560円!内容は数年前にリマスターされたものと同様で、オリジナルに別テイクや未発表曲が追加収録されている。The Byrdsのアルバムはすべて駄作なし、特にこの5枚とSweetheart of the Rodeoあたりまでは当時のポップシーンを牽引していた時期で今聞いても歌や音に勢いがある。もしこの時期のThe ByrdsのCDを1枚も持ってないという人がいたら買って間違いなし。私はLPで全部持ってるしCDも何枚かかぶったけど大満足です。
安くてボリュームがあり、素敵な曲が沢山。でも、全部はとても弾けないかな
ビートルズのアルバムのリマスターに伴って「当時の多くの人が耳にしたのはステレオ版ではなくモノ版だからモノ版を聴かなければ本当のビートルズを聴いたことにはならない」というのを売りにモノ版ボックス・セットが発売されて以後、ボブ・ディランらの作品も同様の論理で今まで無視されていたモノ版がCD化されるなど、ちょっとしたモノ版リイシュー・ブームだ。
その波がついにザ・バーズにまで及んで、今回初期のオリジナル・アルバム5作品がモノ版とステレオ版を1枚のCDに併録する形でリイシューされることとなった。それに伴って、彼らの全シングルAB面およびシングルとして出される予定だった作品をまとめたこの2枚組が日本独自企画として製作されたわけだが、この2枚組に含まれている作品も、後期(というか末期)の「市民ケイン」と「ファーザー・アロング」の2曲以外は全てモノ・ミックスとなっている。
したがって、曲自体はこれまでにボーナス・トラック等の形で聴くことが出来ていたものでも、それらは基本的にステレオ・ミックスだったので、そうした従来のボーナス・トラック付きCDを全て持っているという人にも、これは興味深いコンピレーションと言える。今回のモノ/ステレオ併録のリイシュー盤にはモノ版のボーナス・トラックが数曲ずつ収録されているので、それらも買う(もしくはすでに買った)という人にとっては重複するところもあるが、この2枚組には今回のリイシューに含まれていない『ロデオの恋人』以後の作品も含まれていたりするので、バーズが好きな人なら買っても決して損をした気分にはならないだろう。
音はかなりよく聴きやすい。全体的な傾向として、同時に発売されたオリジナル・アルバム5作品にも言えることだが、モノ版のほうが音に芯がある感じで、ステレオ版のような空間的広がりは感じられないがベースなどはステレオ版よりもブンブンうなって聞こえる。(ステレオ版では当時の技術的制約ゆえにベースが左だけドラムが右だけから聞こえるといった具合に各楽器が割り振られている―曲によって割りふりかたは異なるが―ので、相対的にベースなどの音は小さく聞こえることになる。ただし、その分「ゴーイン・バック」などではステレオ版のほうが漂うような幻想的な感じが増すことにもなるのだが。)
また、彼らが活躍した当時はシングルでヒットを飛ばすことが重要な意味を持っていたため、アルバムに収録されておらずシングルでしか出されなかった曲や、アルバム収録版とは異なるヴァージョンになっている曲なども多いので、それらをすべてまとめて聴けるこの2枚組は、その意味でもありがたい。
ただし、そのようなコンピレーションなので、彼らのキャリアを初期から末期まで網羅しているとはいえ、必ずしも「ベスト盤」ではなく、バーズを代表する名曲でも含まれていないものもあれば、普通なら「ベスト盤」に選ばれる可能性はまったくないような作品が入っていたりもする。それに、シングル版が必ずしもアルバム収録版よりも優れているとは限らない。アルバムでは長めの曲であってもシングル版ではラジオでかけてもらいやすいように3分程度に短くしてあったりするので、たとえばマッギンの名曲「栗毛の雌馬」などはアルバム版に慣れた耳には「無残」とも思えるようなものになっている。これからバーズを聴いてみようと思ってベスト盤を探している人はそれらの点に要注意。
それから、欲を言えば、同時期にリイシューされた5作品と同じ「紙ジャケ+Blu-spec」という形で出してほしかった。これだけ「プラスチック・ケース+通常CD」だ。もしかして近い将来「紙ジャケ+Blu-spec」でリイシューされたりしないか多少気になるところである。
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