アルモドバル作品はアクが強いのに胸焼け感は全く無い。 時折、下品な下ネタとか出てくるけど、なぜか微笑ましい。 そして、綺麗な色使い。トマトやオレンジまで華やいで見えます。 アルモドバルの描く“赤”には情熱的なものも感じます。
大好きな子供,父を知りたがっていた子供。そのたった一人の息子の言葉の節々を追って,別れた女になった夫を捜しに行く。個性的な役柄。レズヴィアンの大女優。女に生まれ変わった友人や,シスターでありながら妊娠している友人。ここから,夢を叶えてみたり,命を得,失う。実は奥が深いです。しゃべりがすごく面白く,みんなどんな人生だろうと生き生きと生きている様子がスカッとします。この映画は何度観ても飽きにくいと思います。結末は薄々観客は気付き始めると思いますがそれでも面白い。アカデミー賞とるだけはある。さすがでした。
タイトル中の「マイ」の私とは誰のことなのだろう。最初の方で死んでしまう青年? 最後の赤ちゃん? それともアルモドヴァル監督自身? はたまた観客のことなのか。
『オール・アバウト・イヴ』がタイトルの基になっているそうだが、映画の中で繰り返される演劇は、『イヴのすべて』(マンキーウィッツ監督の!)と同時代の映画としても有名な『欲望という名の電車』である。その演劇で主役を演じる女優を始め、役者たちの演技合戦が見ものであるのは誰もが誉めているとおり。
映像的にはこの監督らしい原色を基調とした鮮やかな色彩と大胆な平面的構図に加え、ヒロインが昔の友だちと出会うあたりなど、なんとなくフェリーニをも思わせるようなシーンもある。
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