恋に悩んだら読んでみたい本。 女性と男性との間で揺れ動く女性の気持ち。そんな気持ちになったことのある人にはとくにおすすめ。 女性同士の同性愛をさらりとうまくかいてある。 やさしいタッチの絵は漫画ということをわすれさせ、映画の様。 たくさんのひとに読んでもらいたい本です。
ドイツの映画「バンディッツ」を彷彿とさせる、音楽と映像のシンクロ。
ラスト直前のシーンでは役者(吉井怜)が、走る、走る、走る。
これもドイツの映画「ラン・ローラ・ラン」を彷彿とさせます。
石田衣良ほか出ている役者さんも皆、自然ではまっていると思いました。
ストーリーは無茶苦茶、単純だけど、映像、特に光が全てにおいて見事に撮影されていて、
音楽、役者と掛け合わさって、徹頭徹尾、キラキラした映画になっていると思います。
キレイなものを見たなぁと元気になる感じです。
監督の次回作に期待。吉井怜さんも役者として大成して欲しい。
高橋一生さんに、平岩紙さんも今後、要チェック。今宿麻美さんも。
期待せずに見たからか、非常に良かったです。撮影風景のおまけDVDもついていて、
「あぁ、映画を作るってこういうことなんだ。」と実感できるのもいいです。
どうやら石田衣良さんの場面は3日で、他の二人の場面は2週間ほどで撮影されたらしいです。驚愕!
ストーリーは♀♀同性愛の、ファンタジーです。 主人公のいちこは19歳。 女の子の恋人がいて、ゲイのパパとレズビアンのママの間に生まれた子で。 同じ学校に通うゲイの男の子の相談に乗ってあげたり、恋人のエリーとしばらくあえなくなったり、いろんなことがあって。 設定やストーリーの語られ方はちょっと御伽噺っぽくて、そこが素敵と思う反面現実味に欠けるともいえるけれど、 登場人物の心の動きがとても自然です。 とくに主人公はすごくまっすぐな心をもったとてもキュートな子で、 読んでいて大好きになりました。 そう思って振り返ってみると、この作品には、 人生の大事なことについて誰かと誰かが率直に語り合う場面がとても多いことに気がつきました。 これを書いている私は同性愛の人とデートもえっちもしたことはないですが、 この本を読むと、ビアンの人たちってこういう愛を生きているんだろうなあって、 自然に、やさしい気持ちで、見詰めることができる。そう思います。 シンプルで線のなめらかな絵柄も素敵です。
女性同士の恋愛を中心に描いてきたやまじえびねが
新境地を開拓した長編と言える。
ゲイ男性に恋をした、美術史専攻の大学院生の女性が主人公。
性愛を超えた愛、性と暴力の問題がテーマになっているが、
作品全体は重くなりすぎず、やまじえびねらしく、洗練された
タッチで描かれている。
また、ストーリーはありきたりの展開ではなく、意外な方向へ
どんどん進んでいき、サスペンス小説を読むような面白さが
あった。ゲイ男性同士の愛と確執を描いた箇所は、ジャン・ジュネ
の小説のような妖しい魅力があって引き付けられた。
いつもながら登場人物がみな魅力的だ。主人公の女性は受動的で
弱すぎる気がするが、自分の弱さが自分と他人を傷つける、という
台詞にあるように、そういう自分を認識している知的な人間でもある。
装丁も美しいのでおすすめ。
同性愛を扱った漫画をいくつも描いてきたやまじえびねの作品のなかでも、もっとも完成されたものだと思います。 主人公の少女の、トランペット奏者への恋を軸に進むストーリーは、どこかひりひりとしています。 細い描線とムダのない絵柄がプラスにはたらいて、深刻になりがちな同性愛というテーマでありながら、淡々として清潔な印象を受けます。 本編が完成しているだけに、巻末の番外編はやや物足りないかんじもしました。
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