最近は法律相談などでもインターネットを介した取引にまつわるトラブルがかなり多い。
それゆえ,弁護士としてもいろんな文献を読んで紛争類型を理解しておく必要がある。
そういった目的で買った本ですが当たりでした。
国境をまたぐネット取引トラブルについても扱っており
自分が扱う案件の解決指針としても本書の記述が役立ちました。
無線通信関係のエンジニアをしております。
これまでは、無線の技術的な側面についての本を読んでいましたが、
フジテレビへのデモをきっかけに、無線の社会的な側面にも興味を持ち本書を手に取りました。
法律についての知識としては、「ブリッジブック法学入門」を読んだことと、
仕事で特許を書くので、特許法についての基礎的な知識がある程度でそれほど詳しくはありません。
憲法は法律に優先するとか、法律は国会でのみ変更できるとか、
法律は自由に解釈できるわけではなく法律の目的に沿って解釈する必要があるといったことを知っている程度です。
この本は、3編構成になっていて、
第1編:放送を取り巻く現状と系譜と題して、放送が始まった歴史を、
第2編:放送法制の全体像と題して、放送法と憲法の関係を、
第3編:放送法解説と題して、各条文の意味・解釈を述べています。
読んでいて興味深いなと思った点を挙げてみますと、
第1編:放送を取り巻く現状と系譜
・関東大震災発生時(1923年)は、ラジオ放送網も、テレビ放送網もなかった。マスコミといえるものは新聞のみ。
・第2次大戦中(1945年)にはNHKのラジオがあったのみで、民間放送は存在しない。
・FMラジオ(1969年)よりも、白黒テレビ(1953年)の方が先に放送開始している。
第2編:放送法制の全体像
・表現の自由の、国家からの自由と、国家による自由という考え方
国家からの自由:放送事業者が国から規制されないこと
国家による自由:国が放送事業者に介入することで国民が自由・権利を得る
・アメリカ:レッドライオン判決。1969年米最高裁判決。大衆の知る権利は、報道の自由に優先する。
・フランス:24時間放送内容を監視、様々な統計的なデータを作成。不偏不党が実現されているか監督。
第3編:放送法解説
・放送法の目的は「放送が国民に最大限に普及」「健全な民主主義の発達」。
その手段として、「放送による表現の自由を確保」がある。
・放送番組の編集は、放送事業者の自律(=自らにルールを課し、守る)に
任されているのであって、自由ではない。
・「報道」とは、ニュースだけではなく、社会的な物事を事実として伝えるもの全て。
という見解もあるということ。
この本を読んで放送法とは、
(憲法)表現・報道の自由←(法律)放送法→(憲法)国民の知る権利
憲法における表現の自由と、国民の知る権利との間の
バランスを取ろうとしている法律なのだと理解しました。
報道の自由を認め過ぎて、何をしてもいいということにしてしまうと、
商業主義になりすぎて国民の知る権利がないがしろにされる。
国民の知る権利を確保するために国が介入しすぎると、
国に都合の悪い報道まで抑制するようになる。
この2つの間のバランスを取るための方法が、
放送法第1条2号の放送事業者自身による自律という方法です。
国は、「政治的に公平であること」や、「報道は事実をまげないですること」のような
大きな枠組みだけを決めて、個別の番組の内容には関知しない。
放送事業者は、自らルールを定めて、自らそのルールを守る。(=自律)
こうすることで、放送事業者自身が、国民の知る権利のために奉仕することを
期待しているということなのだと思います。
ただ、実際の放送事業者や、その報道を見ていますと、
このような理念が実現されているのか疑問に思います。
この理念の実現を放送事業者任せにせず、
例えばフランスのような外部から監査する機関が
あってもいいのではないかなと思います。
無伴奏は、チェロをはじめ他の楽器でもチャレンジをしてきましたが、音の構成や表現そしてそのためのボーイングや運指など、奥の深いパズルのようです。著者の深い洞察はパズルの解へのヒントとなり、また時としては新たな解釈や疑問を生み、それを演奏して確認するというサイクルは、バッハ音楽の楽しみの深奥へと迫るものです。私にとってはその価格をはるかに超える価値があります。
かなりボリュームのある判例抜粋と設問、かなりの程度痒いところに手の届く高水準の解説を付す。事案の整理→規範の定立→当てはめというプロセスが一貫されており、考えながら読み進むことで深い判例理論の理解が得られる。惜しむべきは項目が少なく、人権の全範囲をもカバーできていないばかりか、統治機構に関する項目は搭載されていないこと。既存のものを見れば完成度が高いだけに、増訂が待たれる。
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