WOWOWノンスクランブルアニメーション
『奏光のストレイン』の第6,7話を収録したDVD4巻です。
未だ心身ともに孤独なセーラへ向けた仲間たちの優しさを強調しています。
それがただの嵐の前の静けさとは知らずに・・・。
STEP06「安らぎに背を向けて」★★★☆☆
艦内での日常生活、シミュレーション演習でも協調性に欠けるセーラ。
工作室で空間機甲科メンバーは心を開かせようとパーティーを開くが・・・?
彼女のトラウマとなった第1話のグラベラの惨劇をちらつかせたり、
突如の戦闘で怒りの波動を爆発させる心理描写が巧みです。
まだギクシャクしながらも次第に心を開いていく彼女の成長の物語です。
明るさ、コメディ色の強めた展開なので従来の硬派なノリを期待している方には
やや物足りないかもしれません。
STEP07「ラヴィニアの素敵な陰謀」★★☆☆☆
いまだグォールに向け逃亡し続けるリベルタット艦内。
セーラに倒錯した愛情を捧げるラヴィニアの妄想、いや暴走劇が始まります。
スタジオファンタジアお得意の過激エロス描写と彼女の孤立奮闘ぶりに苦笑い。
今回は完全に本編とはかけ離れたお馬鹿なエピソードと捉えるべきでしょう。
・・・と、思われた今回。次の第8話を観て、実は製作者自身の「陰謀」だったと
その悲劇のきっかけに驚愕します。ゆっくり持ち上げてから一気に叩き落す。
これは衝撃の第1話「絶望の前奏曲」のAパートをなぞった前半戦にしか過ぎません。
欲しい曲(Strain Battle )が欲しくて買ってしまったこのサントラ。
聞いてみると心に響く音楽が多いのでお勧めです。
ただ、作品を見てからの購入をしたほうがいいかも・・・。
WOWOWノンスクランブルアニメーション
『奏光のストレイン』の第10,11話を収録したDVD6巻です。
第1話から謎めいていた真実が次々と明らかになる
終幕への一歩前の序曲に緊張感が高まるばかりです。
STEP10「未来の記憶」★★★★☆
なぜセーラの兄ラルフ・ウィーレックは反逆者と化したのか?
ミミック・エミリーがセーラと繋がったその理由は?
本作の謎めいていた核に迫る展開に目が離せません。
600年以上昔の記憶を辿るハードSF要素が冴え渡る中、自分達以外の
生物を殺めることに無感情な人間倫理の危うさを彼女達の視点から捉えており、
感心させられます。あと、女だろうと容赦なく味方を銃殺するラルフのクレイジーさ
がめちゃくちゃ怖いです。人間って恐ろしい・・・。
STEP11「狂演の幕開け」★★★★☆
一体ラルフ・ウィーレックの怨念に似た執念はどこまでいくのか?
敵艦を奪い特攻も辞さない彼が見た怒りの真実に驚かされます。
亜光速航行設定を巧みに操った過去と未来への並列世界改変のハードSFの
練りこみ脚本にも要注目。一度観ただけでは、なかなか理解するのが難しいので
ぜひ自分なりの歴史年表を作って考察することをお薦めします。
救援も補給もできない窮地のリベルタットvs狂気のラルフウィーレック
最終決戦直前の怒涛の展開に期待を不安が高まるばかりです。この残酷にして
硬派なノリがなんとも堪らない!いい作品です。
WOWOWノンスクランブルアニメーション
『奏光のストレイン』の第8,9話を収録したDVDです。
ラヴィニアのささいな遊び心から崩壊する日常と、偽名で潜伏していた
セーラの正体がついに暴かれる急展開に緊張感が高まります。
STEP08「グォール空間補給廠(ほきゅうしょう)」★★★★☆
ストレインEXのミミックである人形エミリィ紛失の捜索に
協力する仲間達とカリスの優しさに、忘れていた笑顔を取り戻すセーラ。
しかし、突然の敵襲により再び絶望の淵に落とされ真実に触れた彼女は激発する・・・。
第1話「絶望の前奏曲」を彷彿させる前半(第7話含む)と後半で全く毛色の異なる
日常崩壊劇の恐ろしさと危うさに目が離せません。
また、カリスの弟・ドニィが兄よりも年上になってしまっている点など
亜光速移動による地上との時間の流れの違いを実感させるSF描写も光ります。
STEP09「目の前の自分」★★★★★
ついに暴かれたセーラの正体。彼女は多くを語らず、不安に染まる艦内。
兄の敵に近い存在に怒り狂い暴走するロッティ。
罵倒し、非難し、怒りの矛先は殺意と化して彼女に向けられ・・・。
兄を慕う二人の過去の姿を重ねながら、優しく切なくじっくり描かれ、
敢然たる決意を持って彼女に叫ぶセーラの執念が胸に響きます。
上層部の殺伐した判断と仲間意識の薄いグォールの冷静沈着さなども非情さを強調しています。
全てを物語るサブタイトル名称も秀抜の極み。重厚感漂う感動の名エピソードです。
後ろから見るとパンチラしている絶妙なスカートの角度は素晴らしい。
前向きに飾っているだけでは分からない実は・・・な所がポイント。
顔の造形も原作通りで期待大です。
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