涙のふるさと
最初にサビだけ聞いた時は「藤原の表現も稚拙なものになったんだなあ…」と心配になってしまいました(会いに来たよのリフレイン)。
でもフルで聞いて納得、やはり”涙のふるさと”にはバンプオブチキンの世界観が凝縮されています。
愛だの恋だの綴る曲がヒットチャートを賑わす中で、物語を届けてくれるバンプオブチキンの曲は異彩を放っています。事実、「涙がどこから生まれてくるのか」など、日常生活を送っている中で考える事などまず無いでしょう(少なくとも自分は無かった)。普段気付かない物に気付かせてくれる、これこそが彼らの魅力でしょう。
ユグドラシル
シングルの「スノースマイル」、「オンリー ロンリー グローリー」、「ロストマン」、そしてシングルカットされた「車輪の唄」が収録されていることもあり、今迄のアルバムの中で一番完成度の高い作品になっている。
バンプの曲の魅力は、やはり独特の歌詞にある。強さと弱さ、優しさと冷たさなど、人間の心情を等身大で表現している。また一方で、夢や希望、友情や愛情を寓話的に描いていたりもする。バンプは人間の内奥の裏表を表現する事に長けたバンドであるといえるだろう。人の心の中にある光の部分だけでなく、影や闇の部分まで唄い切ることのできる近年では数少ないアーティストである。『ユグドラシル』に収録されている曲の中では、「乗車権」にそれがよく表れている。この曲に描かれている人間像は救いようのないほど愚かで、絶望的なほど脆い。でも、それは人間の一つの本質であったりもする。藤原基央の、人間の多様な側面を捉える事のできる才能が、このアルバムに集約されている。
このアルバムによって、バンプの音楽は完成したと言っても良いだろう。しかし、彼等にとっては、その完成すらも通過点に過ぎない(と、個人的には思う)。今後、彼等の音楽性がどのように飛躍するのか楽しみである。
WORKS 1990-2000 DVD including all BJC works
ブランキーの全仕事を時系列(年表)&ジャンル別にテキストと写真でまとめて(CDやビデオはもちろん出版された本やスコアブック、ツアーetc.の情報)、それに全曲ワンコーラスずつのサンプル音と歌詞が付いている(ビデオにもサンプル画像が付いてます)…そういうたぐいのものです。
しかし映像として1曲だけ?見どころがあって、それは“RISING SUN ROCK FES 1999 in EZO”の
「BabyBaby」(1曲全部入ってます)。
オレはこれが好きなんだ、特に前髪垂らした虚ろな瞳のテルさんが、なんか退廃しててカッコよくて ^^;
この時期のライヴって他に出てないし、ほとんどこの1曲のためにDVD購入したようなもんです。
94年の「幸せの鐘〜」も丸ごと入ってるけど、こっちは“MONKEY STRIP”の別ヴァージョンってカンジ。
この資料&サンプル集DVD、高いと思うか安いと思うかはあなた次第。
友達なんかは「資料としてもなかなか便利じゃん!」って言ってるけど。
まぁそれもアリかな、ポスターやツアーパンフの中身や解散発表の新聞(!)も見れるし、
アナログ盤の曲や本の付録に付いてたCDの音なんかも聴けるしね。
バンドスコア BUMP OF CHICKEN/COSMONAUT (BAND SCORE)
内容は文句なしです。今回はメンバー監修ではなく公認のおまかせになっているそうですが、譜面は相変わらずわかりやすくていいです。最初のカラーページに写真と使用楽器と機材がいつも載っていて、そこにメンバー自身の機材解説が入るのですが、メンバーが多忙のためか今回はその解説もありません。そこがちょっと残念でした。(使用機材の写真はちゃんと載ってます)
全然どうでもいいことですが、藤君がメインで使っているスペシャルのなかで前回はSONIC製を大変好んで使っていたようですが、今回は使っておらず、(ストラトもSONICはなし)アコギの本数が多く掲載されていました。今回のアルバムはアコギでやはり藤君の職人らしさが出ていてアコギへのこだわりもさすがだなと感じました。
orbital period
グングニルあたりから入った私としては、今回はずいぶん可愛いというか、大人しいなあ、と思いました。
まあ、でも大好きなBUMPなんで作業しなが流し聴きしてたんですが。
かさぶたの歌が可愛くてちょっと歌詞をみたら、その切なさにびっくりしました。
そのまま、お話とともに、曲の進むがままに歌詞を読んで。
ああ、やっぱりBUMPだなあ、と思いましたよ私は。
変わった、って仰る方もいますけど。
確かに、世の中をバッサリいく激しさとかはなくなったのかな、とは思いますが。
基本、私のBUMPのイメージって「自虐」と「やさしさ」ですから。
だから、私はあんまり変わったとは思いませんよ。
や、もちろん、全く同じであるわけもないと思いますが。
歌詞読んで、意味かみしみて、ふじ君の声聴いて。
メロディーがやさしすぎて、ホント泣けてくるんですよ。何でかわからないですが。
引きこもりの私が人と会いたくなるアルバムです。