33人 チリ落盤事故の奇跡と真実
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短い挿話を積み重ね、時系列で追って行く手法です。
まだ事件から日も経っていない時期に書かれた本なので、
正直「まとめサイト」的な印象を読みながら感じます。
もっと深掘りした部分については、今後出てくるのでしょうが、
コンパクトにまとめてくれたなぁとは思います。
個人的には巻末に収められた数人へのインタビューが印象的でした。
ちなみに、チリの現代史(チリ革命とピノチェト独裁)あたりを
事前にざっくりと眺めるだけでも、この本を読むにあたって
とても参考になると思います。
革命と独裁とキリスト教はチリ(チリ人)にとっては
重要なファクターであると再認識しました。
チリ33人 ~ 生存と救出、知られざる記録
テレビなどの報道で知っていたことはほんの一部に過ぎなかった。世界中からの無償の人的,技術的支援があってはじめて成り立った救出劇であった。その困難さ,時間との闘い,人間ドラマ・・・,が克明に記された本である。
地中にとり残された労働者の団結が,救援の手が届くたびに崩れわがままになっていく様,このドラマで一儲けしようとする内外の動きは人間の浅ましさそのものである。他方,昼夜を分かたずに救出に取り組む人々,危険を省みず地中に飛び込む人々の姿は感動ものである。事実のすごさを実感します。
落盤 (手塚治虫漫画全集 (319))
『落盤』(1959年)、『花とあらくれ』(1959年)、『火の谷』(1960年)など、1960年前後の7編の作品を収録しています。
『落盤』は、時の流れに連れて自分に都合のよいように記憶を作り直していく人間の心理を、マンガならではの手法で表現した佳作です。記憶が現実に近づくに従って、回想シーンの絵が写実的になっていくのが、緊張感を高めて印象的です。
『花とあらくれ』は、荒れ果てた漁場のあらくれ漁師が、かつて刑務所で出会った神父との約束を守って、花畑を育てる物語です。
これらの作品は、手塚マンガに特徴的なSF的な設定や変身テーマも、動物やロボットとの交流もなく、ひたすら人間のドラマが描かれています。手塚マンガにしてはめずらしい味わいの作品ですが、後に「ビッグコミック」等に連載された大人向けの重厚な作品群の萌芽を見ることができます。
残念なのは、この本は全集の中では後発で、手塚治虫の死後に発行されたため、恒例の手塚自身による「あとがき」がないことです。こうした初期の人間ドラマについて、手塚治虫本人はどう考えていたのか、ぜひ聞きたかったところです。