レンアイ漫画家(1) (モーニング KC)
昔、好きだった先輩の息子を引き取ってもらうために漫画家である先輩の兄に決められた相手とのレンアイを義務付けられる主人公。売り言葉に買い言葉で条件を飲んでしまうことから物語がはじまります。
ちなみに個人的な感想だけど、主人公に感情移入ができない。
なぜなら、条件を出される前にレイプまがいのことをされても開き直る根性、レンアイを行うのはいいが別れることを結果的にすぐに受け入れて次に進む精神など「女性ってこういうもの?」と戸惑うことの方が多かったです。
サバサバしてるというか節操がないというか主人公に引いてしまいました。
それと、読んでいて思ったことですが、このマンガはテレビドラマの方がしっくりくると感じました。
これからどんな展開にもっていくのかはわかりませんが、もう少しレンアイ対象との密度の高い話を期待します。
あの頃映画 松竹DVDコレクション 「八つ墓村」
今まで見た中で最も恐かった映画は何か、という話題で盛り上がったことがあります。この『八つ墓村』をホラーにくくってしまうのは暴挙ですが、子どもの頃に地上波で見て、しばらくは夜恐くて1人で寝ることが出来ませんでした。私にとっては等身大の「最も恐かった映画」です。その場でも絶大な賛同を得ました。みんなあの落ち武者殺しや山崎努の殺人鬼、そして鍾乳洞での豹変・追いかけられるシーンを強烈に覚えていたのでした。
この映画では推理小説としてのロジックな面は後退していると言えます。でも我々が金田一シリーズに持っている印象は、旧家の因襲と愛憎と「おどろおどろしい」事件の数々であり、この『八つ墓村』こそ最もそのイメージに近いものなのだと考えられます(当時あれほど怪奇趣味で喧伝された『犬神家の一族』は今見ると案外スマートな切れ味です)。戦国時代から続く怨念の輪廻。芥川氏による重厚な音楽もこの作品世界にぴったりです。
主人公の辰弥の体験は当時の若者が求めて彷徨した「自分探しの旅」に他なりません。その結果日本の原風景とも言えるものに出会うのですが、同時にそのカタストロフィの現場をも目撃することになるのです(『悪霊島』での古尾谷雅人の役柄も同じです)。当時日本の各地で大小こそあれ同じ現象が起こっていたのではないでしょうか(田中角栄の「列島改造」論で日本中に高速道路が作られ出すのもこの頃)。この様な1970年代の若者こそが真の主役であり、映画館に訪れた人達が自己投影したのだと思うのです。賛否両論ある渥美清の金田一耕助ですが、私は何か刑事コロンボみたいなこの感じが、合理性で情念世界を切り分けるトリックスタートしての狂言廻し役を見事に演じていて、本来の姿のようにも思うのです。あの頃あれほどまでに横溝ブームが巻き起こったのはこんな時代の心象があったからなのです。もうこんな美しく恐ろしい映画は作られないでしょう。
続・男はつらいよ〈シリーズ第2作〉 [DVD]
寅さんシリーズの二作目。続とついてるぐらいですから、まだこの時点では48作も続くとは思って無かったんでしょうね(^^;
プイと出ていった寅が約1年ぶりに突然戻ってきた。またすぐ旅に出ると行って出ていったかと思ったら、近所の中学校時代の先生(東野)の家に上がりこんで胃けいれんで病院にかつぎこまれていた。
マドンナは先生の娘で佐藤。医者役で山崎努が出ています。若いです。
今回は産みの母親(亡くなってなかった)との再会という重要なイベントがあります。
寅さん節はますます好調。しゃべりの調子が誰かに似てると思ったらビートたけし、にそくっりなんですね。同じ下町なんだ、と変に納得(^^;; しかし、ビートたけしの映画は暴力が基本で殺伐としてますよね。
私は前作よりこちらの方が面白かったです。続編が第一作を上回るとシリーズも長続きできるんでしょうね。
ドラマCD「サルーテ!」~フロワ王女と海賊ルッシュ~第1話 呪われた2人!?
このドラマCDが原作という珍しい乙女向けドラマCD。
目覚めたフロワ(かかずゆみ)と半透明のルッシュ(保志総一郎)は記憶を失っている所から物語が始まる。金儲けが大好きなメリー(福山潤)にくしゃみをすると入れ替わる(外見も)コトに興味を持たれ、拾われる。その後、フロワを探す騎士のナリス(小西克幸)が現れる、と物語の序章的な感じで終わる。声優さんの掛け合いがテンポが良く、面白かった。
★4つなのは、値段が高くなっても設定にショート漫画や小説などの小冊子を付ければ、より世界観が分かりやすくて良かったのでは、と思うので。