タイム・アウト
「都会的なジャズ」のイメージを作ってくれるいい曲ばかりですね。
この一言だけで自分の中では完結してしまいます。
ここに収録されている曲はすべて好きです。自分でCD持っているくせに レストランとかでBGMで流れても あっ いいなと思ってしまうこと多々あります。勝手に曲を流してくれるだけで、自分のなかで洗練された場所になってしまうくらいの強いイメージを持っている曲だと思います。
個人的にはピアノのデイブ・ブルーベックより、サックスのポールデズモンドが好きで、陰なる主役?なのではないかと思いました。とてもやわらかいサックスの音色と無駄の無いインプロビゼーションが他を寄せ付けない洗練された曲になっていると思います。
このCDをとても気に入った方で、もしもサックスの音色が気に入った方は、ポール・デズモンドで探すと、take 10なんていうCDもあります、ボサノバチックでこれまたいい感じでお勧め。
Dave Digs Disney
余りピンと来ない組み合わせかと思いきや、さにあらず。デスモンドのアルトはもちろんのこと、ブルーベックの四角四面のピアノに、意外にもこのおとぎ話的メロディが溶け込むのである。
リリカルなアルト・サックスだけを売りにした、いかにも「売らんかな」の作品に見られそうだが、どうして、なかなか立派な作品に仕上がっている。
デイヴ・ディグズ・ディズニー+2
すばらしい作品です。ジョン・ルイス(MJQ)やジュニア・マンスが好きな方には、好まれる作品ではないでしょうか。彼らのようにタメのあるスウィング感ではありません。が、マイルス・デイビスやアーマッド・ジャマルと共通した「音の間(ま)」に対するセンスが卓越しています。メロディーも非常に美しかったり、ユーモラスだったり、力強かったりで、終始演奏に引き込まれます。(物語性があるというのでしょうか)
Time Out
このCDに収められている名曲「テイク・ファイヴ」ですが、リーダーのデイヴ ・ブルーベックは、3+2拍子の5拍子という変拍子を本当に律儀に刻んでいます。一方メロディーを奏でるアルトサックスのポール・デスモンドは、とても柔らかくしなやかな音でスウィングしています。これだけ甘い音色のアルト・サックス、というのもなかなか聞けません。途中のドラム・ソロのジョー・モレロのアド・リヴもいつ聞いてもステキですね。
こんなに楽しいジャズもあるのだ、という見本のような演奏です。30数年前ですが、CMにこの曲が使われ、日本でも多くの人が知っているというジャズの名曲中の名曲でもあります。ジャズと変拍子という一見風変わりな組み合わせから、とてもステキな演奏が生まれました。最近でも、アリナミンのCMでお馴染みだと思います。
この『タイム・アウト』というアルバムは、全て変拍子のジャズの演奏ばかりを集めていますので大変ユニークですよね。
個人的には、1曲目の「トルコ風ブルーロンド」の9分の8拍子の曲も気に入っています。2+2+2+3拍子という刻みですので、スウィングできるのだろうか、というものですが、デスモンドの上手さが光る演奏です。そしてとても楽しい曲ですので、印象に残るのでしょう。
本当に何十回と聴いてきたアルバムです。若い世代の方にも是非聴いて欲しいものです。