遠雷 [DVD]
70年代終わりから80年代初め頃、こうしたATG映画はテレビの深夜放送でたくさん観た。ちょっと理屈っぽかったり気取ってたり陰鬱だったり、でも妙に生々しく切ないそれらの作品は日本でしか生まれえない独特の匂いや感覚があって大好きだった。
中でも『遠雷』は忘れがたい映画で、その後地方都市の小さな映画館のATG青春映画特集で再び観た。やはり切なくなった。
最後、明け方のベランダで「青い鳥」を歌うシーンが好きだ。
こういう作品って暗いと敬遠されがちだけど、日本人にしか描けない叙情性や重みがこの頃の低予算映画にはあったと思う。忘れないでほしい。
道元禅師〈中〉 (新潮文庫)
幼いころのいいなずけ貴族の娘との心の通いあい
京都から越前へ移る背景となる娘
正法現蔵を読み解いた立松和平 渾身の傑作
道元禅師の生まれから渡宋、帰国、永平寺建立へ
現代社会の「複雑さにまどわされている人々」に
ただただ坐りなさい・との行動=こころ
上・中・下三巻の雄大な世界を立松和平は
正法眼蔵ほか読み込んできれいに描いてます。
付き人「右門でございます」の語りが飽きさせない
オーロラ ウォッチング ガイド -宇宙の神秘に迫る (楽学ブックス―自然)
こんどオーロラを見に行くので、買ってみました。
欲しかった服装や撮影機材のアドバイスは、期待通りの充実度。
それ以上に、多くのページを割いて紹介されている美しいオーロラの写真や、
オーロラがなぜ発生するのかという原理に踏み込んだ解説に、心躍りました。
本書を開いて、半分ほど読み進めないと、実用的な『ウォッチングガイド』は登場しないのです。
著者のオーロラへの愛着が、強く伝わってきます。
光の雨 特別版 [DVD]
映画としては非常に良かったと思います。劇中劇で再現撮りのシーンと、その舞台裏のシーンで作りこみのギャップ、甘さがあるという指摘もあると思いますが、私はそうは思いません。十代後半、二十代から三十代など、当時をリアルには知ることのできない世代に対する、40代後から50代の「責任、葛藤、弱さ、恐れ」を描きたっかのですから、当然監督が今の10代、20代をリアルに描けなくて当然と思っていたからです。腑に落ちすぎる今の若者を描かれていたら逆にうそ臭くなっていたかもしれません。そこへ不満をぶつけるのは限界があると重います。