ワイルド7 4 コンクリート・ゲリラ編 (ぶんか社コミック文庫)
日本の学生運動が激しい時期に描かれただけあってデモ学生やピケ破りの右翼学生の描写がリアルですが、過激派を銃器で武装した都市ゲリラとして描いた作者の想像力は素晴らしいです。
このエピソードでは近接戦用の武器(ショットガンや銃身を切り詰めた拳銃)を得意とする主人公;飛葉が珍しく重機関銃や、対戦車ライフルを使用するシーンが有ります。
前者の短機関銃で武装した過激派十数名を飛葉がMG34の連射で殲滅するシーンや、後者のマニアックなカスタマイズと1kmの距離を物ともせずに装甲車両を狙撃破壊するシーンは時代を乗り越えた迫力が有ります。
その他でも、前巻辺りから顕著になったアメコミ風の絵で描かれるゲリラ・ハンター・ユキの日本人離れした色っぽさ、警察(ワイルド7も含む)側とコンクリートゲリラの手に汗握る攻防、現在観ても驚くほど暴力的だが魔的な吸引力が有るアクション・シーン、主人公の仲間もバンバン殉職する非情な展開、等々、良くこんな話を少年誌に連載したものだと感心致します。
完全に大人向けのアクション漫画です。
謎も単なるOLだったユキがどこで狙撃や銃の訓練を受けたか等、多々御座いますが、それらが瑣末な事に思える痛快な一篇です。
お薦めです。
ジャパッシュ (ぶんか社コミック文庫)
1971年頃、
「少年キング」への連載が多かった望月三起也さんが、「少年ジャンプ」に初連載した意欲作。
ピーター似の やさ男の日向光が、その美貌とカリスマ性で のし上がり、世界征服を目指す物語。
集英社からは、全3巻の単行本が出版されていました。 (現在絶版)
それを一冊に まとめた物が本書。(圧巻の480頁)
リアルタイムで「少年ジャンプ」を読んでいた者の観点ですが、集英社版の単行本の時、『日向光の敵役の石狩と、石狩の盲目の恋人マリとの 愛を育む場面は、ほとんどカットされ、終盤になって 突然マリが登場する形に なっている』など、すでにかなり編集されていました。
出来すぎた都合の良いストーリーや、背景が雑なところは、当時の漫画は、皆 そうだったのだから、大目に見ましょうね。
戦国自衛隊 (ROMAN COMICS) (SEBUNコミックス)
もともとは短編であった小説が、コミックや映画に!
この小説の後に、似たような映画(ファイナル
カウントダウンのような)などが続いて登場して
きました
作品的には、少し前のものですが、十分に読み応えの
あるものです。続編(?)が最近になって作られている
のが、その証ではないでしょうか。
上杉謙信と武田信玄に深く関わった自衛隊の行く末は…
新ワイルド7―野獣伝説 (8)
徳間書店版から、装丁などを改めての新刊。飛葉の魅力もさることながら、世界を思わす、画竜天晴や八百のようなクロスなど、チームとしてのワイルド7の魅力があふれています。また、新キャラのトンガリの行方(生死)を思案するのも楽しいものです。