家族療法学―その実践と形成史のリーディング・テキスト
これは家族療法の教科書です。リーディングテキストって副題にありますが、まさにその通りで、非常に読みやすく、ミルトン・エリクソンやグレゴリー・ベイトソンらのMRIから始まるほうの家族療法の流れが非常によくわかります。ホフマンさんは今、ナラティヴ・セラピーにまで突き進んでいる方なので、この1冊で家族療法の原形からその未来までがわかるってことですね。
といっても、専門書的な教科書らしいしかめ面のところはなく、小説を読んでいるような気分で読めました。ホフマンさんの自伝みたいな感じでもありますね。アメリカ人って「マイライフ」とか言って自伝を書くのが好きですが、その一種と捉えられるかもしれません。そういう面で言っても(自伝文学としても)なかなかのものです。
ホフマンさんってただの(?)主婦だったんですね。それが30を過ぎたころに、「パート」で家族療法と出合うんです。この辺りがものすごく面白い! その後に出会う人々は、みな家族療法のスターばかり! 彼らの人となりもわかってなかなか興味深い。事例もいろいろとあります。
分厚い。字が細かい(気がする)。詰まっている。値段も高い。と不満はいろいろありますが、リン・ホフマンの本を出してくれるというだけで感謝しなくてはならないのかもしれません。訳は読みやすいのではないでしょうか。
1冊目の家族療法の教科書には不向きですが、一応家族療法のことがそれになりにわかっている方でしたら、興味深く読めるでしょう。マニアなら絶対に買わなくてはなりません。ナラティヴに興味のある人も、要チェックです。ナラティヴについてなら、この本が一番よくわかるかも……。
値段は高いので☆は1つ減らしました。お金に余裕がある方でしたら、星は5つです。
太陽の生まれる場所
クレヨンしんちゃんの街、春日部出身のピアノ&キーボード弾き語りのシンガーソングライター、ひらがなで「あえか」さんです。
「あえか」は本名で、「か弱くても良いから美しく」という想いが込められています。
日々ストリートや、インストアで歌う彼女が、昨年4月から1年間、アルバム予約数1000枚達成で全国発売が決定する「PROJECT−U」という企画を達成してのリリースです。
思いのままをストレートに表現する、ともすれば、少し荒削りな歌詞も、彼女の奏でる、なにか懐かしさを感じさせるメロディと共にストレートゆえに心の奥底に響き、気が付けば、熱いものがこみ上げている自分がいる。
アルバムタイトルをあらわす「僕の小さな心と自転車」をはじめとして、彼女が大切に歌い続けてきた10曲をぜひ聴いてみて下さい。
もし、以前に彼女のCDを購入されたことがある方でも、全曲、お色直しされていますし、現在手売りで購入できる自主製作の3枚のシングルのタイトル曲との重複もありません。
彼女のホームページ(http://aeka-web.com/)もぜひ訪れてみて下さい。そして、”みち”で彼女に直接出逢ってみてください。
はじめて聴くのに、なぜか「こころ」に「からだ」にすっと溶け込んでいくメロディーに立ち止まることでしょう。