かそけき音の (文春文庫)
私は最後の一編が、特に印象に残った。
主人公の気持ちの揺れが、すごく良くわかる。
期待しながら好きな人を待つ気持ちや、一瞬にして裏切られ、青ざめる気持ち・・・。
精神的な危うさが書かれた2編も印象的。
たった数十ページのストーリーなのに、ふっと考えさせてくれるものがある。
あぁ、そんな風にして人は、殺人者になってしまうのかもしれないな・・・。とか。
非常に手軽に読める短いストーリーなので、”読書は苦手”と言う人にもお勧めです。
ソング・オブ・サンデー (文春文庫)
まだ二十代前半なのに
モウ恋からも人生からも半分リタイアしている私には
ちょっと落ちついた雰囲気が心地良い作品だった。
少し人並みの人生から外れた感のある二人が
天気のよい日曜に愛犬を連れてドライヴに出かける。
ただのドライヴじゃなくて 自分の人生を色々省みるモノになるんだけど。
人並みから外れていても
人は皆それぞれの人生をそれなりに生きているんだなあ、
としみじみ感じてしまう作品だった。
せっかく生きているんだから
私ももう少し自分の人生を大切に生きてみようかな。恋もしてみよっかな
なんちって
せつない時間 (幻冬舎文庫)
空からの手紙 が一番好きです。
泣きました。
短編なのにとてもまとまっている。というか、結末らしきものがあってよかったです。女性にうってつけ。
世の中そんな、わるい男ばっかりじゃないぜ?と思わせてもらえます。
熟れてゆく夏 (文春文庫)
第100回直木賞受賞作品。
受賞作品の『熟れてゆく夏』の他2編を収録した中編集。
3編ともどこか暗い部分を持つ女性の恋愛について綴る。元々作者が詩を書いていたからか、どこか詩的でとても柔らかい文章で綴られている。
登場する女性達が持つ暗い部分を形は違えど誰しもが心の中に持っているのではないかと思う。
ソレデハ…
めざめ (幻冬舎文庫)
不倫、友人、知人、社内の同僚、上司と部下。
どうしようもないと自覚しながらも、男に振りまわされてしまう女性達を描いている恋愛小説。
それぞれの居場所で、「結婚」の二文字にとらわれて執着しながら生活している女性たち。
そんな彼女たちの生き方と、複雑な心理を克明に描いてあります。