演歌の女王 DVD-BOX
視聴率も伸びず、世間の評判も今一つであったこのドラマ、元々の発想はあくまでもコメディーであり人情喜劇、言ってしまえばコントであったと思われる。原田泰造が天海祐希の相手役に選ばれた事も、それを暗に示している。
世間の評判はどうであれ、個人的にはあくまでもシュールなコメディーであった前半は結構好きで、ずっとそのままのノリで最終回まで突っ走れば、傑作を意味する☆5つまではいかないにしろ、良作である☆4つの価値はあったと思う。
まず、キャラクターが良い。
美人で人は良いのに、幸薄く冴えない演歌歌手のまま結構な歳になった大河内ひまわり(信友幸子)は、多くの作品で同性に憧れられるアイコンを演じることが多い天海祐希には珍しいキャラクターではあるが、流石にこれも魅力的である(むしろ男性の立場からは、頼り無いけど可愛い、女性的な魅力が出ているキャラでは)。
その他も、苛められっ子からひまわりの弟子になった存在感の無い貞子、毎回コスプレで登場する子供時代のひまわり(福田麻由子)、なぜか役名がそのままな温水刑事等、中々楽しいキャラクターが揃っている。
毎回ひまわりが大怪我するもすぐに軽症で退院する等、ドリフばりのお約束のオチも楽しい。
ところが、残念な事に視聴率や評判を気にしてテコ入れを行ったのか、後半から妙にシリアス路線になり、勢いを失う。
常に「女王の教室」を引き合いとして意識される運命にあったのかも知れないが、全てのTVドラマが何らかのメッセージやリアリティー、社会性を追求する必要は無く(そもそも、「女王の教室」も、根本は刺激ある娯楽を求める視聴者の為のエンターテイメントだったのでは?大げさな音楽や演出から、当方はそう感じていたが)、あくまでもユニークかつ愛らしいキャラクター達を毎回楽しむ、気楽な喜劇だってファンは必ずいるのでは。
女性演歌歌手が思わず被虐待児童を引き取って面倒を見るとか、温泉での歌謡ショーを抜けざるを得なくなったひまわりの代わりに「小ひまわり」なる芸名で代役をする中学生の貞子など、「有り得ない、リアリティーが無い」等と言う人達もいただろうが、これはコメディーなんだから。当方はこういうシュールな展開、嫌いではないです。
視聴率や評判に左右されるのはTV界の常ながら、個人的には非常に惜しい作品でした。きっともっと良作になれた。
ブギの女王 全曲集
先ずは『買物ブギ』を聴いてみてください!
笠置シヅ子の表現力、独特な歌唱法に圧倒されるでしょう。
『セコハン娘』のブルース感は笠置シズ子にしか表現できないと思います。
美空ひばりの『プロフェッショナル』とは対極にあるかもしれない『味』というものを笠置シヅ子は持っている歌い手だと思う。
彼女の歌声に終戦直後の日本人は勇気づけられ、助けられ、元気を貰ったのだ!
もっともっと評価されても良いのでは?と個人的に思っています。
FAKIN' POP
メロディアスで切なくポップな名曲がベスト盤の様にカラフルに散りばめられていて、「こんな恋愛してみたい!」と、様々な青春シーンを聞く側にイメージさせてくれる、キラキラと爽やかで美しい、ポピュラー系音楽の名作品集に仕上がっていると感じます。・・・と、本当のところ賛辞ばかりで占めさせて頂きたい思いなのですが、個人的には、R&Bや2STEP・ハウス等、ブラック〜クラブミュージック趣向のあるクールな平井堅さんが好きになりファンになった人間でもあるので、本アルバム全体を通して聴くのには少し難しさも感じてしまっております。
「楽園」や「KISS OF LIFE」など、3rd〜5thアルバムにかけて主要なR&B系楽曲を手掛けていた中野雅仁さんが離脱されてからというもの、松田聖子さんやサザンオールスターズ、KANさんなど、80〜90年代の純粋で胸がキュンとしめつけられるメロディアスな楽曲が傾向・割合的に増えたのだと感じております。前作は、そういった楽曲とR&Bのグルーヴ・ビート感が見事に調和されていて、バランス・バリエイションに満ちた傑作であると個人的には感じたのですが、本作はメロディーに重点が置かれ過ぎてしまっているせいか、スロウ〜ミディアム系バラードなど、近い雰囲気の楽曲が多く存在してしまっている様にも感じられます。
アルバム発売前にCMやドラマ等、諸々のタイアップで収録曲が露出し過ぎていたので、多くの曲イメージが既に出来上がり、全体的に似通った印象に感じられてしまったところもあるのかもしれません(・・アルバムを買って初めて耳にする形であれば、同じ曲でも印象は大分異なっていたのかも知れません)。
これほどまで既出曲が多いオリジナルアルバムというのも、当方30年近く生きてきてマレな経験であったので、今回少し奇妙な感覚・気分を味わうこととなりました。やはり、買ってからのお楽しみは、もう少し残しておいて欲しいというのが本音なところでもあります。
・・次回作では、少しワルでセクシー&クールな感じ、ソウルフルでファンキー・ジャジーな雰囲気も、以前同様味わってみたい思いであります。キャッチーで美しい旋律が染み入る本作が素晴らしいことに変わりはないのですが、やはり渋みのあるトラックももう少し多く聞いていたいのですm(_ _)m
歌謡紀行IX ~松島紀行~
スラーッとした容姿に加え歌詞を大切にはっきりと歌う彼女に恥ずかしいけれど、
一目惚れした。
このアルバムんの「桑港のチャイナタウン」「東京のバスガール」ほか諸々の曲を
生き生きと蘇えらせて歌う彼女に賛辞を贈りたい。
彼女を知ったいきさつは、NHKの「想い出のメロディー」で「銀座カンカン娘」を
見事に歌唱したのが実に爽やかで心地良かった。
この曲は、かの大女優、高峰秀子さんが映画の主題歌で歌いヒットした曲でなかなか上手く
歌えない曲をものの見事に歌い、何と彼女は紅白に5回も出場している事が解り、成る程と
納得した次第だが、清潔で笑顔が素晴らしい彼女の大成を心から応援し祈りたいと思う。
君の好きなとこ
つい最近購入したのですが、中々得な買い物ができたなと言う感じです。
表題曲(A面曲)の「君の好きなとこ」もカップリング曲もしっとりとした実に聞き心地の良いバラード曲です。「君の好きなとこなら星の数ほどあるのに 一つも言葉に出来なくて」、「泣かないで 美しい人 その涙は 輝きへの step」、「僕は何も出来ないけれど 一緒に 迷い込み 光を探したい」などなど、2曲とも聞いていてホッとするような優しい歌詞が魅力的ですね。歌詞もよく味わいながら聞くといいと思います。
・・・2曲ともそこまでインパクトが強い曲ではないものの、しっとりとした歌声や優しい歌詞からは平井堅らしさをよく感じることができると思いますし、古参のファンの方にも十分満足していただけるのではないかと思います。カップリング曲の「美しい人」のほうも「君の好きなとこ」と一緒に両A面として出してもおかしくない出来栄えだと思いますし、まだ気になっている方には十分オススメできる作品ですね。
余談
バイマイメロディーのリミックスバージョンも収録されていますが、効果音が派手すぎて
斬新さはあるものの少し聞きづらい印象を受けました。これは結構好みが分かれそうな感じです。