「シュガー社員」から会社を守れ! (PHPビジネス新書)
前著『シュガー社員が会社を溶かす』においてそうした社員への対策が無いとの指摘を受け書かれた続編。
本書においてはこうした問題社員の具体例が豊富なのはもちろん、
そうした社員への対策、見抜き方が具体的に描かれており、参考になる部分もある。
しかし、やや表面的にすぎる気もする。人間の本性を見抜くテクニックなどそう無いのは分かるが、
本書においての見抜き方は「そりゃ当たり前だろ」とでも感じるものが多かったのだ。
例えば「スーツを着用していない写真」「具体的な質問をすると不快感を示す」「面接中友達言葉になる」etc...。
こんなことは新卒就活生でもやらないようなタブーである。
それを中途でやるような人間なら、シュガー社員であるかどうか以前に、私なら採用しない。取引もしない。
また逆に「一人暮らしで繁華街の近くに住んでいる」というのもあったが、そんなことで人間性まで判断されてはたまらないと思う。
確かに豊富な例は提示されており、中には「なるほど」と思わせる部分は多かった。
中小企業など、良質な人材がなかなか集まらない場合には本書の例を参考にして
「せめてシュガー社員は入社させないようにする」とかは出来るかもしれない。
なお、後半の「シュガー社員に変身させない人材マネジメント」は秀逸であったと評価したい。
全体の評価としては☆三つといったところか。
シュガー社員が会社を溶かす
非常に難しい内容を扱っていると思う。
特に、最近の著者が求められるコメントの内容(期待される内容)にちょっと偏りがあるような気もしれいるので、そもそも何がいいたかったかを再確認したいと思う。
ただ、気をつけたいのは、「辞めるに辞められなかった世代」「辞めるという発想が無かった世代」が無条件に容認してしまった中に、おかしなものが多々あるということを無視してはならないなあと思った。
特に、法令厳守などはうっかりすると社外へのアピール面だけを扱い、社内への法令遵守がなされていないのは、メンタルヘルス不全者大量時代を考えれば想像できる。
下手をすると、「いじめは役に立つ」といいながらいじめ自殺を助長するようなことになりかねない。
職場の教育力低下を若年層の世代論にすり替えてしまう危険性には注意したいと思う。
ブラック企業とシュガー社員
タイトルも刺激的だが中身も刺激的ですね。
シュガー社員も悪いけど劣悪な就労環境の会社にも問題があるというのが
分かります。 これからゆとり世代も入ってくるためこの手の問題は
増えると思います。読んでて思わず笑ってしまいましたが労務管理の
ヒントが多く書かれていますので経営者や人事担当者は一読しておいた
方が良いかもしれませんね。
自分もシュガー社員に当てはまるかもと思ってしまいました。
職場のモンスター (マイコミ新書)
タイトルから誤解されるかもしれないが、本書は必ずしも「モンスター社員」をレッテルづけて排除しよう、という主張ではない。モンスターとよばれるような社員が従来の企業文化の外側から生まれた背景や、そう呼ばれる人々=自分探し世代の行動規範のようなものを、具体的なトラブル事例を踏まえつつ探ろうという試みである。
団塊世代の親から「自分の納得するようにやればいい」という半ば言い逃れの言葉で過大な自己評価を助長され育てられたこの世代は、「やりがい」以上に重い「自分らしさ」という十字架を背負い「仕事」に立ち向かわなければならなくなった、という指摘は興味深い。職場で「自分らしさ」を捜し求める彼らの問いに対して、企業文化への同化によってこの問いを「すり抜け」てきた先輩世代の出す「正解」が心に響くことはない。なるほど。勝間和代の本がバイブルになる理由の一端がここにある。
私は若者が嫌いだ! (ベスト新書)
年を取ると、誰も「最近の若者はけしからん!」と叫びたくなってしまうものらしい。
正直、精神科医に通う人たちだけを見て、これが今の若者の典型!と断言してしまうようなアプローチの仕方が的外れだと思われる。
そういう自覚が少しはあるのか、予防線や逃げ道のような文章を、いちいち挟み込むような姿勢もどうか。
不景気や都市化などにより、昔の共同体にあったような社会性を身に付けている若者も少なくなっていくだろう。
そういった時代の変動の中で、大人は若者に何を伝えるのか。
世話を焼くという意味ではなく、先達として示す。その矜持がこの本からは感じられなかった。
愚痴だけなら誰でも言える。その先を開くのが評論ではないのだろうか。