コーヒーハンター―幻のブルボン・ポワントゥ復活
「コーヒーハンター」というタイトルからは内容が少々判りづらいが、実際にコーヒーハンターの名に負けない経験と知識を持つ著者がその半生を書き下ろした、コーヒー好きにはたまらない一冊だ。その内容は植村直己の「青春を山に賭けて」のような、若者向け冒険ものとして読んでも面白く、なおかつ、エルサルバドルの国立コーヒー研究所で学んだだけあって、面白いだけでなくコーヒーの品種・栽培・加工・焙煎に関する詳しい知識やサステイナブル・コーヒーの概念、コーヒー業界の裏話についても知ることが出来る。「ブルボン・ポワントゥ」という通常よりも細長いコーヒーについては初めて知ったが、著者のこだわりがきっかけになって、産地の仏領レユニオン島の地域おこしに繋がるストーリーはなかなか感動的だ。